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12日のNY市場は往って来いの展開だった。序盤は2月の米小売売上高が市場予想を上回ったことで円売りが進んだ。ドル円は90円台半ばから91円台前半まで上昇、2月23日以来
の91円台に乗せた。ドル円に追随してクロス円も買われ、ユーロ円は124円台半ばから125円台前半、豪ドル円は83円台前半から83円台半ばまで上昇した。ただ、3月のミシガン大消費者信頼感指数が予想外の低下を示すと円売りは一服した。週末の利益確定売りを巻き込む形でダウ平均は上げ幅を縮小、ドル円、クロス円は下げに転じた。NY時間午後には見切り売りが広がり、ドル円は90円台前半、ユーロ円は124円台前半、豪ドル円は82円台後半まで下げた。
◆ポンド買い、政治リスク後退との見方
きょうは政治リスク後退を背景にポンドが買われる場面があった。午前の取引でユーロポンドは0.90台後半から0.90台半ばまで下落、ポンドドルは1.51台前半から1.52台前半、ポンド円は137円台前半から138円台前半まで上昇した。世論調査で野党・保守党の支持率が上昇したことが材料。選挙では野党・保守党が第一党に返り咲く可能性が濃厚とされているが、単独過半数には達しないとの見通しが多かった。支持率上昇で次期政権の基盤が安定化するとの見方が広がっていた。
◆イエレン副議長の誕生、ドル安要因?
きょうは次期FRB副議長を巡る人選が話題となっていた。ホワイトハウスは次期FRB副議長としてイエレン・サンフランシスコ連銀総裁が有力候補と述べた。イエレン総裁は地区連銀総裁で最もハト派寄りの人物として知られる。イエレン総裁は先月22日の講演で、今後2年間に渡って米経済は潜在成長率を下回る、金融引き締めは時期尚早など低金利政策の長期化を示唆していた。ハト派の副議長誕生で出口戦略への期待感が後退、潜在的なドル安要因となる可能性もある。なお、FRB理事としてはラスキン・メリーランド州金融規制局長官、ダイアモンド・マサチューセッツ工科大教授が有力候補に挙がっているという。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
5日の東京市場は、日経平均が大幅高となり、円安傾向が続いた。ただ、値動きは緩やかで、この後の米雇用統計待ちのムードが広がった。きょうから始まった全人代では温首相が今年の成長率目標8%を掲げるとともに、経済発展のための構造転換の決意が表明された。
ドル円は早朝に一時89円を割り込む場面があったが、その後はジリ高の動きとなって89.35レベルまで上昇。前日海外市場での高値89.27レベルを小幅ながら更新している。前日NY市場での株高を好感して、日経平均は寄り付きから100円高で始まり、200円を越す大幅高となった。日経新聞朝刊で、日銀が追加緩和策を検討、との報道が流れたことも円安・株高の材料となっていた。また、中国全国人民代表大会(全人代)がきょうから開幕、上海総合指数が特段ネガティブな反応をみせていないことも市場に安堵感を与えていた。
クロス円にも買い圧力が掛かり、ユーロ円は121円近辺から121円台前半へ、ポンド円は133円台後半から134円台前半へと円安の動きだった。対ドルでもユーロドルが1.36近辺まで、ポンドドルが1.50台後半まで買い戻される場面があった。ただ、値動きは限定的で、全般的な水準としては前日海外市場での大幅なドル買いに小幅の調整が入った程度となっている。市場の関心は米雇用統計に移っているようだ。
◆全人代、温首相は今年の成長目標を8%と表明
きょう5日から中国全国人民代表大会(全人代)が開幕した。冒頭の活動報告で温首相は、今年の中国経済成長目標を8%と掲げた。積極的な財政政策および緩和的な金融政策を継続すると表明したことで市場の安心感を誘った。ただ、これまでの成長一辺倒ではなく、経済の構造改革を推し進める、としたことが新しい点だった。国内の所得格差是正、海外との不均衡是正の強い意志が示されている。
これまでのところ、中国株式市場は今後の内容を見極めたいとして大きく反応していない。また、為替市場で注目される人民元に関しては、国外での利用を活発化させる、と述べるに留まり、相場水準についての言及は今後の課題となっている。全人代は14日まで開催される予定。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)

