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4日のNY市場ではドル円主導で円安に振れた。前週の新規失業保険申請件数が46.9万件と市場予想とほぼ一致すると、ドル円は88円台前半から89円台前半まで急伸した。失業保険継続受給者数が450万件と09年1月以来の低水準となったことも米国の雇用回復期待を高め、ドル円の買い戻しを誘発した。クロス円はドル円に連れ高となり、ユーロ円は120円台後半から121円台後半、ポンド円は133円台半ばから134円台後半、豪ドル円は79円台後半から80円台半ばまで上昇した。1月の中古住宅販売成約指数が前月比7.6%減と予想外の落ち込みを示すと、リスク懸念を背景にクロス円は売りに押されたが、ドル円はユーロドル主導のドル買いに支えられ、底堅く推移した。
◆ユーロドル1.36割れ、会見は決め手に欠ける
ユーロドルは1.36台後半から1.35台半ばまで値を崩した。金利発表後に実施されたトリシェECB総裁の会見はやや決め手に欠ける内容だったが、会見終盤にロンドン市場の安値を割り込むとストップを巻き込む形で下げ足を早めた。このほか、ユーロ安要因としてムーディーズによるドイツ銀行の格下げ、トリシェECB総裁が一部メディアとのインタビューで、強いドルは米国の国益に適う(最近のユーロ安に関する質問で)と述べたことなどが話題となっていた。なお、会見では金融危機後、非標準的手段として導入した流動性供給策のうち、3ヶ月物資金供給オペを従来の入札方式に戻す一方、7日物と1ヶ月物は少なくとも10月12日まで固定金利での資金供給を継続する方針を示している。ECBスタッフの経済予測では2011年のGDP見通しが上方修正された。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
週明け3月1日の東京市場は、ドル円89円近辺、ユーロドル1.36近辺での静かな取引だった。日本株やアジア株が堅調に推移したことで、前週末の弱い米住宅指標によるリスク回避色は弱まった。
ドル円は88円台後半と、2月上旬以来の円高ドル安水準で取引が始まったが、日経平均の上昇につれて89円台を回復した。中国の2月製造業PMIは52.0と市場予想55.2を下回る結果だったが、上海株や香港株は堅調な動きを維持した。クロス円は、各通貨ごとにまちまちだった。豪ドル円が一時80円台乗せと堅調推移する一方、ポンド円は早朝に134円台半ばまで売り込まれる弱い動きだった。豪ドルには明日の豪中銀政策金利の引き上げ観測が買い材料だった。一方、ポンドには週末の報道から、英政局不安や、財政赤字懸念がユーロから飛び火するなど、ネガティブな観測が多かった。
◆豪利上げ見通し、エコノミストは7割強も、市場は五分五分
豪ドルは明日2日に発表される豪中銀政策金利を巡って堅調に推移した。豪ドル/ドルは0.89台半ばから一時0.9020近辺まで高値を伸ばす動きをみせた。豪ドル円も79円台後半から80円台乗せまであった。本日発表された豪経済指標では、第4四半期経常赤字が拡大したものの、豪ドル売りの反応はみられなかった。むしろ、同時刻に発表された第4四半期豪企業営業利益が前期比+2.2%と前期前期の-1.4%(改定前-2.1%)からプラスへと転じたことが好感されている。また、チリ大地震の影響で商品市況が堅調だったこともプラス材料だった。その後は、中国製造業PMIが予想を下回ったことなどで上げ一服となった。あすの利上げ見通しはエコノミストが7割強だが、市場の織り込みは5割程度との観測が広がっている。
◆ポンド売り、信用不安が飛び火か
週明けの東京市場、早朝からポンド売りが強まった。ポンドドルは一時1.5130レベルと約9ヶ月ぶりの安値水準へと下落した。ポンド円も134円台半ばへと売られた。ユーロ買い・ポンド売りも強まり、0.9000近辺まで上伸した。週末の英各紙では英国に対するネガティブが記事が多かった。政局ではこれまで優勢が伝えられていたキャメロン保守党の支持率が下がり、ブラウン労働党の水準へと接近している。これにより両党の単独政権の公算が大きく後退している。また、信用不安の動きがギリシャから英国へと波及するとの観測などが伝えられていた。英プルデンシャルによる米AIGアジアの生保部門買収の報道や、リパトリの時期を控えて、大口投資家がユーロ売り・ポンド買いの巻き返しを進めている、などの見方もポンド売り材料と目されていた。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)
22日のNY市場は円買いが優勢となった。ダウ平均が前週末の終値を挟んで振幅するなど、リスク資産への投資手控えが円買いを誘った。NY時間午前の取引でユーロ円は124円台半ばから123円台半ば、豪ドル円は82円台前半から81円台後半まで下落した。ドル円もクロス円に追随する形で売られ、91円台半ばから91円割れ寸前まで下げた。ただ、NY時間午後に入るとポジション調整で円買いが一服。ドル円は91円台前半、ユーロ円は124円円台付近、豪ドル円は82円台前半まで値を戻した。
◆ユーロドル低迷、ギリシャ救済でジレンマも
ユーロドルは1.36台を割り込み、一時1.35台後半まで軟化した。20日付の独シュピーゲル誌で200-250億ユーロ相当のギリシャ救済計画(欧州委員会、独政府筋とも否定)が報じられたが、市場ではギリシャ救済でもユーロ安の流れは不変との見方が出ている。PIIGS諸国(財政基盤の弱いユーロ加盟国の総称:ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインの頭文字をとったもの。)の債務問題で、ユーロ加盟国が緊縮財政と景気低迷を余儀なくされ、ECBの出口戦略が結果的に遅れるとの見方が背景。トリシェECB総裁は2月4日、政策金利据え置き後の会見で「多額の財政赤字は金融政策に負担」とし、財政問題がECBの金融政策を阻害する可能性を認めていた。
◆イエレンSF連銀総裁、低金利長期化を示唆
NY市場ではイエレン・サンフランシスコ連銀総裁の発言が報じられた。総裁は講演テキストで、経済は今後数年間に渡って潜在成長率を下回って推移するとし、米経済には引き続き異例に低水準の金利が必要との見方を示した。また、失業率は許容できないほど高水準とも述べている。講演後の質疑応答では、公定歩合の引き上げは今後多く実施されない可能性、実現可能ならマイナス金利に賛成票を投じると言及、FRBによる金融引き締め(利上げ)は時期尚早との見方を示していた。ただ、発言を背景としたドル固有の反応は乏しかった。米債券市場では利上げ観測の後退で短期債が買われる(利回りは低下)一方、入札警戒感で長期債が売られ(利回りは上昇)、長短金利差が拡大した。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
10日の東京市場は後半、リスク回避の動きが強まった。前日の海外市場では、ドイツがギリシャ支援を打出すとの観測もあり、リスク回避の動きが一服していた。しかし、明日のEU首脳会談など、その詳細を見極めたいとのムードもあり、懸念は根強い。ドル円やクロス円は10時前の仲値にかけて強含み、ドル円は90円台を回復する場面も見られたものの、後半は売り圧力が強まり、本日の安値圏で推移。
◆10日線に跳ね返される
ドル円やユーロ円、豪ドル円は東京時間の下げで10日線に跳ね返された格好となっている。ここを上抜ければ、リバウンドへの期待感も強まりそうだが、依然としてセンチメンントは盛り上がってきていないようだ。海外市場でのトライがあるか注目される。
◆中国のバブル警戒も、期待は根強い 崩壊はもう少し先か?
為替市場とは直接関係のない事ではあるが、気になるニュースがあった。世界的な大手投資ファンドのフィデリティが、新たに設定する中国ファンドのために約6.3億ポンド(約880億円)を調達する計画を明らかにている。著名ファンドマネジャーのアンソニー・ボルトン氏が運用を担当する。一部では中国のバブルの可能性を指摘する向きもあり、否定的な意見も出ていたようだが、ボルトン氏は「バブルについて話しをし始めるのは早過ぎる。中国市場は2008年11月に現在の上昇局面に入っており、経験ではバブル形成には数年かかり、1年ちょっとで形成されることはない」との見方を示しているという。
概ね賛同したいところ。米国の住宅バブル、日本の90年代のバブルも、当局の金融引き締めと規制にもまれながら、ある程度の期間を経て醸成され、そして弾けている。
巷で警戒されている景気の二番底があるとすれば、今のところは、中国のバブル崩壊がトリガーになる可能性が高いとみる。そうであれば、年内では無く、もう少し先の話になろう。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)

