2011年10月5日のマーケット予想

株:NYダウ反発
4日の米株式市場は、ギリシャへの追加融資の正式決定が先送りされたことや、仏・ベルギー系金融大手デクシアの経営危機が表面化したことなどを受けて、欧州圏の債務危機に対する懸念が強まり、下落して始まった。しかし、バーナンキFRB議長が、合同経済委員会の証言で、景気支援に向けた追加措置を講じる用意があると言明したことや、フランスとベルギー両政府がデクシアに対して、支援を行うとの共同声明を発表したことを受けて、金融株などを中心に切り返し、ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比258.08ドル安の10,655.30ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が上昇したことや、為替市場でも円高基調が一服しており、株式市場にとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が8,530円となっており、市場の予想レンジとしては8,400円−8,550円となっている。

為替:ユーロが上昇
4日の外国為替市場では、仏・ベルギー系金融大手デクシアの経営危機が表面化するなど、欧州圏の債務危機に対する懸念が高まる中で、ユーロが下落し、ユーロドルは一時1.31ドル台半ばを付けた。しかし、英紙フィナンシャル・タイムズが、経営が悪化した金融機関の資本増強の実施などを欧州連合首脳が検討していると報道したことや、トリシェ総裁が欧州議会での証言で利下げを示唆しなかったことなどを背景に、ユーロが買い戻される展開となった。NY終値ベースで、ドル円は76円台後半、ユーロドルは1.33ドル台半ばとなっている。
本日は、9月ADP全米雇用報告(予想:7.5万人)、9月ISM非製造業景況指数(予想:52.9などの経済指標の発表が予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては76.30−77.00円となっている。
 
商品:NY原油続落
4日のNY原油先物取引は、欧州の債務問題や世界経済の先行き懸念が高まったことが嫌気され、3日続落となった。中心限月の11月限の終値は、前営業日比1.94ドル安の1バレル75.67ドルで引けた。
NY金先物取引では、バーナンキFRB議長が、インフレ圧力は後退したと発言したことなどを受けて、インフレヘッジとしての金を買う動きが後退したことや、米株式市場が引け間際に急速に値を戻すなど、リスク回避の動きが後退したことなどが嫌気され、急反落となった。中心限月の12月限の終値は、前営業日比41.70ドル安の1オンス1,616.00ドルで引けた。