2011年6月16日のマーケット予想

株:NYダウ急反落
15日の米株式市場は、5月消費者物価指数で、変動の激しい食品・エネルギーを除いたコア指数が前月比+0.3%と市場予想を上回り、インフレ懸念が強まった。さらに、NY州製造業景況指数が-7.79と前月から大幅悪化し、昨年11月以来のマイナスとなり、景気の低迷が示された。また、欧州の債務問題に関する懸念の高まりや原油価格の急落なども弱材料視され、ほぼ全面安の展開となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比178.84ドル安の11,897.27ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が急落したことやギリシャの
債務不安などが悪材料視されており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は9,475円となっており、市場の予想レンジとしては9,400円−9,550円となっている。

為替:ユーロが下落
15日の外国為替市場では、ギリシャで、政府の財政緊縮策に反対する抗議デモが各地で起こり、首相が辞意を表明するなど、ギリシャの先行きに対する不安が強まった。さらに、米格付会社ムーディーズがギリシャ国債を保有しているとされる仏系銀行3行の格付けを格下げ方向で見直すと発表したなどが嫌気され、ユーロは主要通貨に対して下落する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は80円台後半、ユーロドルは1.41ドル台半ばとなっている。
本日は、英5月小売売上高(予想:前月比-0.6%)、米5月住宅着工件数(予想:54.0万戸)、週間新規失業保険申請件数(予想:42.0万件)、6月フィラデルフィア地区連銀景況指数(予想:6.8)などの経済指標の発表が予定されている。さらに、ギリシャの動向などにも注意する必要がある。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.20−81.50円となっている。

商品:NY原油急反落
15日のNY原油先物取引は、為替市場でドル高・ユーロ安が進行したことや、米経済指標の悪化を背景に、急落する展開となった。中心限月の7月限の終値は、前営業日比4.56ドル安の1バレル94.81ドルで引けた。
一方、NY金先物取引では、為替市場のドル高を受けて売りが優勢となり、下落する場面もあったものの、米経済指標の悪化やギリシャの債務不安などを背景に、安全資産としての金が買われ、続伸して引けた。中心限月の8月限の終値は、前営業日比1.80ドル高の1オンス1,526.20ドルで引けた。