2011年6月9日のマーケット予想

株:NYダウ続落
8日の米株式市場は、前日のバーナンキFRB議長の景気が減速しているとの発言や、FRBが発表した米地区連銀経済報告で、ニューヨークなど一部地区で成長がやや減速したとの認識が示されたことなどを受けて、米景気の先行きに対する不透明感が強まり、6日続落となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比21.87ドル安の12,048.49ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が引き続き下落していることや、為替市場で円高が進行しており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は9,385円となっており、市場の予想レンジとしては9,300円−9,450円となっている。

為替:ユーロが下落
8日の外国為替市場では、ギリシャの債務問題について、同国の新たな緊縮財政計画が十分な規模ではないとし、次回以降、IMFやEUからの融資が実施されないとの見方が広がったことや、米国の経済成長の鈍化が世界経済の妨げになる恐れがあるとの懸念から、安全資産といわれるドルや円が買われ、ユーロや資源国通貨が下落した。NY終値ベースで、ドル円は79円台後半、ユーロドルは1.45ドル台後半となっている。
本日は、豪5月雇用統計(予想:失業率4.9%、就業者数+2.5万人)、週間新規失業保険申請件数(予想:41.5万件)などの経済指標の発表に加えて、英中銀金融政策決定会合、ECB理事会の開催が予定されており、市場の注目が集まっている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては79.00−80.20円となっている。

商品:NY原油続伸
8日のNY原油先物取引は、OPEC総会で予想に反して原油生産据え置きが決定されたことや、米エネルギー情報局の週間在庫統計で原油在庫が前週比480万バレル減と、市場予想を大幅に上回る取り崩しだったことなどを背景に、買いが優勢となり、一時101.89ドルを付けた。その後は、為替市場のドル高を背景に上げ幅を削ったものの、中心限月の7月限の終値は、前営業日比1.65ドル高の1バレル100.74ドルで引けた。
一方、NY金先物取引では、原油相場の急騰に連れて上昇する場面もあったものの、前日に引き続き利食い売りの動きが活発化したことや、為替市場のドル高などを背景に売り圧力も強く、続落して引けた。中心限月の8月限の終値は、前営業日比5.30ドル安の1オンス1,538.70ドルで引けた。