2011年7月12日のマーケット予想

株:NYダウ続落
11日の米株式市場は、イタリアやスペインで国債利回りが急上昇するなど、欧州圏の債務問題がギリシャから他の欧州諸国にも波及するとの懸念が広がったことや、米債務上限引き上げに向けた協議が難航していることなどを背景に、投資家のリスク回避の動きが強まり、終始軟調に推移した。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比151.44ドル安の12,505.76ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が下落し、為替市場でも円高基調となっており、輸出関連株などを中心に株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が9,910円となっており、市場の予想レンジとしては9,850円−10,000円となっている。

為替:ユーロが下落
11日の外国為替市場では、欧州債務問題がイタリアに波及するのではないかとの懸念が広がる中で、ユーロが主要通貨に対して下落する展開となり、NY終値ベースで、ドル円は80円台前半、ユーロドルは1.40ドル台半ばとなっている。
本日は、日銀金融政策決定会合(政策金利)、FOMC議事録の公表などが予定されている。また、本日EU財務相理事会が予定されており、欧州圏の債務問題に注目が集まる中、当局者の発言などにも注意する必要がある。本日のドル円の市場の予想レンジとしては79.80−80.80円となっている。

商品:NY原油続落
11日のNY原油先物取引は、欧州圏の債務問題が他の欧州諸国に波及するとの懸念が強まったことや、中国の6月原油輸入量が1,970万トンで前月から減少したことなどが嫌気され、続落して引けた。中心限月の8月限の終値は、前営業日比1.05ドル安の1バレル95.15ドルで引けた。
一方、NY金先物取引では、このところイタリアやスペインで国債金利が急上昇しており、欧州債務問題が他の欧州諸国に波及するとの懸念が強まる中で、安全資産としての金に買いが集まり、続伸した。中心限月の8月限の終値は、前営業日比7.60ドル高の1オンス1,549.20ドルで引けた。