2011年8月10日のマーケット予想

株:NYダウ急反発
9日の米株式市場は、午後に発表されるFOMC声明で米経済回復への対策が示されるのではないかとの期待感が強まったことや、このところの急落を受けた安値拾いの買いが優勢となり、上昇して始まった。その後発表されたFOMC声明で、米経済が弱体化していることを認め、ゼロ金利政策を少なくとも2013年半ばまでの継続を決定し、また、必要があれば成長促進に向けた追加措置を講じる用意があることを示唆したことなどが明らかになると、株式市場は乱高下しながらも、急速に買い戻される展開となり、ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比429.92ドル高の11,239.77ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が急反発しており、株式市場にとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が9,110円となっており、市場の予想レンジとしては9,000円−9,200円となっている。
 
為替:ドルが下落
9日の外国為替市場では、米FOMC声明で、実質ゼロ金利政策を少なくとも2年間継続する方針が示されたことを受けて、ドルが主要通貨に対して下落する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は77円台前半、ユーロドルは1.43ドル台後半となっている。
本日は、米6月卸売売上高(予想:前月比+0.3%)などの経済指標の発表が予定されているものの、注目される取引材料が乏しい一日となっている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては76.50−78.00円となっている。

商品:NY金最高値更新
9日のNY原油先物取引は、FOMCで米経済の弱体化を認める内容だったことを受けて、世界的な景気先行きに対する懸念が広がり、1バレル80ドル台の大台を割り込んで引けた。中心限月の9月限の終値は、前営業日比2.01ドル安の1バレル79.30ドルで引けた。
NY金先物取引では、世界的な景気後退懸念や欧米の債務問題の深刻化などを背景に、前日に引き続き安全資産としての金を買う動きが強まった。さらに、FOMC声明を受けて、為替市場でドル安が進行したことも支援材料となり、連日の史上最高値更新となった。中心限月の12月限の終値は、前営業日比29.80ドル高の1オンス1,743.00ドルで引けた。