2012年4月11日のマーケット予想

株:NYダウ続落
10日の米株式市場は、前週末の米雇用統計が市場予想を大幅に下回り、世界経済の減速懸念が強まる中で、イタリアやスペインなどユーロ圏諸国の国債利回りが上昇したことなどが嫌気され、下落して始まった。その後も、今週から本格化する四半期決算発表で業績見通しが下方修正されるのではないかとの警戒感が広がったことなどから、株式市場は一段安となり、ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比213.66ドル安の12,715.93ドルで引けた。
本日の東京市場では、欧米株式市場が下落しており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が9,360円となっており、株式市場の予想レンジとしては9,300円−9,450円となっている。

為替:円が上昇
10日の外国為替市場では、日銀の金融政策決定会合で追加緩和を見送ったことに加えて、世界経済の減速懸念が強まり、スペインやイタリアの国債利回りが上昇するなど、リスク回避の動きが広がり、安全資産といわれる円に買いが入ったことから、円が主要通貨に対して上昇する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は80円台半ば、ユーロドルは1.30ドル台後半となっている。
本日は、日本2月機械受注(予想:前年比+3.1%)、米3月財政収支(予想:-1960億ドル)などの経済指標の発表や、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表が予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.00−81.20円となっている。

商品:NY原油続落
10日のNY原油先物取引は、中国の3月原油輸入が日量555万バレルと前月の595万バレルから減少し、原油需要鈍化に対する警戒感が広がったことや、欧米株式市場が大幅安となったことなどが嫌気され、続落して引けた。中心限月の5月限の終値は、前営業日比1.44ドル安の1バレル101.02ドルで引けた。
一方、NY金先物取引では、インドで宝飾業者によるストライキが終了し、買い安心感が広がっていることに加えて、世界的な株安を背景に安全資産としての金に買いが入り、続伸して引けた。中心限月の6月限の終値は、前営業日比16.80ドル高の1オンス1,660.70ドルで引けた。