2012年5月10日のマーケット予想

株:NYダウ続落
9日の米株式市場は、スペイン政府が、不動産関連の債権に対する引当金の積み増しを国内銀行に求めたことが嫌気され、同国の10年物国債利回りが6%の大台を突破したことを受けて、欧州圏の債務問題に対する懸念が膨らみ、NYダウは一時前日比約183ドル安まで大幅に下落した。しかし、欧州金融安定化基金が、ギリシャに対する52億ユーロの融資を実施することで合意したとの報道をきっかけに、買い戻しの動きが強まり、下げ幅を縮小する展開となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比97.03ドル安の12,835.06ドルで引けた。
本日の東京市場では、欧米株式市場が下落しており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が8,990円となっており、株式市場の予想レンジとしては8,900円−9,050円となっている。

為替:ユーロが下落
9日の外国為替市場では、欧州圏の債務問題に対する懸念が高まる中で、ユーロが下落する展開となり、NY終値ベースで、ドル円は79円台半ば、ユーロドルは1.29ドル台前半となっている。
本日は、豪4月雇用統計(予想:就業者数-0.5万人、失業率5.3%)、米州乾式失業保険申請件数(予想:37.0万件)などの経済指標の発表や、英中銀金融政策決定会合(政策金利の発表)などが予定されている。また、欧州の財政問題に対する懸念が膨らむ中で、その動向に注意する必要がある。本日のドル円の市場の予想レンジとしては79.20−80.00円となっている。
 
商品:NY原油続落
9日のNY原油先物取引は、EIAの週間在庫統計で原油在庫が前週比370万バレル増と市場予想を大幅に上回ったことや、為替市場でドル高・ユーロ安が進行したことなどが嫌気され、一時95.17ドルをつけた。ただ、ガソリン在庫が260万バレルの取り崩しだったことや、EFSFがギリシャ向けの支援を決定したことなどをきっかけに買い戻しの動きが強まり、値を戻す展開となった。中心限月の6月限の終値は、前営業日比0.20ドル安の1バレル96.81ドルで引けた。
NY金先物取引でも、為替市場でドル高・ユーロ安が進行したことが嫌気され、NY金は1,600ドルの大台を割り込んで引けた。中心限月の6月限の終値は、前営業日比10.30ドル安の1オンス1,594.20ドルで引けた。