「君はまだ、東京でやせ我慢しているのか」(肖敏捷の中国観〜複眼で斬る最新ニュース)

 「3・11」巨大地震及び福島第一原発事故が起きた後、福島では県外へ避難する地元住民が急増したと伝えられている。1988年から1991年までの間、福島大学に留学し、上海で仕事をした際、福島県人会の会員でもあった私にとっては、決して他人事ではない。早速、福島市に住んでいる大学の恩師夫妻に電話し、ぜひ東京の我が家に避難してください、と催促した。  しかし、70歳後半の恩師はいつものような落ち着いた口調で断った。「あまり外出しないので、家の中で本を読めば大丈夫だろう。第一、新幹線も高速道路も全部使えない」。こちらも半分諦め、半分安心した。だが、東京に来ることが、果たして避難といえるのだろうか。なぜかというと、東京にいる外国人は次々と海外へ脱出しているのである(一部の日本人もそうらしい)。