この開発拠点から世界標準を狙う(「頭脳大国」中国の真実)

 GDP(国内総生産)で昨年、中国で逆転され、世界第3位に転落した日本。それよりも「深刻だ」と日本の産業界でささやかれているのは、科学技術分野での優位性が揺らぎつつあることだ。  中国は鄧小平氏の「改革・開放」政策以来、30年余りにわたり、科学技術大国に向けて着実な強化策を進めてきた。その成果が最近、急速に現れており、先端科学技術分野で日本を驚かすような状況になっている。一方で、日本は深刻な理系離れが進んでいることが深刻な悩みだ。日本の工学部卒業生は10万人を下回り、中国の20分の1以下である。  今後、日本は「黄昏の科学技術大国」になってしまうのか。日経ビジネスでは4月4日号特集で「『頭脳大国』中国の真実 理系離れの日本にも勝機あり」を掲載した。