復興の決め手は、危機感に裏付けられた「結束力」(荒井裕樹の「破壊から始める日本再興」)

 3月11日に発生した東日本大震災──。既存の統治システムを変革すれば日本経済を再生させることができると主張してきた荒井裕樹氏は、今回の大震災によって深刻な打撃を受けた日本の窮状を憂う。それでも荒井氏は日本の復興を信じ、力説する。復興の決め手は、危機感に裏付けられた「結束力」にあると。  東日本大震災によって壊滅的な打撃を受け、一瞬にして街ががれきの山と化した。その衝撃的な光景に、本コラムの第4回で述べた、「焼け野原」に立つ我が国経済の姿が重なって見えた。震災後の日本経済はますます厳しい状況に追い込まれるだろう。  東京電力の福島第1原子力発電所で起きた事故は、安全性を最大の売り文句の一つとして官民が協力体制を築き、国を挙げて世界に売り込んできた原発事業の先行きを険しくしている。