政府がすべきこと  「政治主導」で官邸機能不全(時事深層)

原子力発電所事故、被災者支援、物流、円高…。押し寄せる複合危機に、官邸・民主党の機能不全が顕著だ。はき違えた「政治主導」が混乱を増幅している。  「地震発生以来、首相官邸の混乱は続いている。最初の5日間ほどは、誰がどのように物事を決めているのかすら明確でなかった」  官邸詰めの官僚、各省庁の幹部は異口同音にこう明かす。  東日本大震災による危機レベルは、あらゆる意味で1995年の阪神・淡路大震災のそれを上回る。被害地域が広範に及び、原子力発電所の事故、被害者の救済と生活支援の遅れ、物流網の途絶、電力不足など、複合的な危機が押し寄せている。こうした事態に直面した時こそ、首相官邸のリーダーシップの下、与党と一体で多方面にわたる課題への迅速な対応が欠かせない。