オレ流

  中日ドラゴンズの落合博満監督が今季限りで退任するとのこと。今年で8年目ですから、そろそろ潮時ということなんでしょうね。就任期間中、リーグ優勝3回、2007年には2位からクライマックス・シリーズで勝ち上がり、日本シリーズ制覇。素晴らしい実績だと思います。
  今年は序盤、中盤にややつまずきましたが、ここへきてようやく本来の強さを発揮。9月3日の神宮球場での東京ヤクルト対中日の試合の観戦記で触れた通り、落合中日は、セ・リーグではずば抜けて強いチームです。投打ともにチームの基礎ができています。
  中日は伝統的に、手堅いチーム編成をしますが、やはり、監督あってのチームです。どんなにポテンシャルの高いチームでも、一時期の某球団のように4番バッターやエースピッチャーを集めても、チームをまとめ上げる監督に能力がなければ勝てないのです。落合監督の采配、選手起用の巧みさが、好成績に結びついているといって過言ではないでしょう。
  「このチーム強いな」と思ったチームが勝ち上がってくるのは、普段マーケットをウォッチして、強弱や潮目を読んで勝負している者にとっては、とてもうれしいですね。我がヤクルトなのですが、9月3日の試合を見る限り、負け方が尋常ではなく、中日との格の違いを見せつけられました。
  毎度、指摘している通り、相場にかかわるのであれば、今、どの国が、どの地域が、どの業種が、どの企業が、誰が勢いがあるのか、見極める訓練を常にしておくべきですね。勝ち馬に乗る(ロング)、負け犬を蹴落とす(ショート)のがトレードの基本です。極めて冷徹なのですが、これだけは忘れてはなりません。鉄則です。
  たかだかシーズン、全144試合の中の1試合とあなどるなかれ。実際に試合を見て、プレーを観察していると、いろんなヒントを与えてくれます。
  残り20試合余りで、1位ヤクルトと2位中日のゲーム差は2・5ゲーム。中日は9月3日の時点と比べ、ブランコ、井端が戻ってきて戦力に厚みがあります。加えて投手陣が全体的に調子を上げている。浅尾、岩瀬の方程式も復活していますね。
  中日はこの1カ月かなりハイペースで勝ちを積み重ねているので、この勢いを持続できるかどうかですね。ヤクルトも今月9連勝がありましたが、中日はそれを上回る強さでした。希望も込めて、現時点ではまだ、中日に一度も追い越されていない、ヤクルト優位と予想しますが、最後までもつれるでしょうね。
  阪神や巨人のようなチームは、優勝できなくて当然だと思っていたので、負けると悔しいですが、中日なら優勝を譲っても仕方ないなと思います。と言うより、中日こそ本来優勝すべきチームであったのに、落としてしまったという感じですね。序盤のゴタゴタが響いています。「負けに不思議の負けなし」「勝ちに不思議の勝ちあり」の格言の通りです。
  勝つべきチームが勝つのがやはり気持ちがいいですね。正直、今年のヤクルトの強さには違和感があります。でも、不思議の勝ちはあるんですよね。
  パ・リーグは、東北楽天イーグルスのファンの視点から見てきましたが、投打ともに穴の少なかったソフトバンクが当確でしょう。今年は、交流戦のヤクルト対埼玉西武ライオンズ、8月中旬の楽天対西武と、西武戦を2試合見て、打線の強力さを実感しましたが、ここへ来て、中島、中村のコンビが大爆発して、最下位から3位をうかがう位置に浮上してきましたね。
  西武に関しては押し目買いのスタンスだったので、これも予想が当たって、割といい気分です。ただ、オリックスバファローズが最下位に沈むかと思ったら、千葉ロッテマリーンズだったので、これは勉強不足でした。
  相場を見るのと同じような視点で、プロ野球などスポーツ観戦をするのは非常に面白いし、勝負勘を鍛えることにもつながります。トレードにかかわる人は、ぜひ励行をお勧めします。
  来年から落合監督の采配を見られなくなるのはさびしいです。きちんとした野球理論、哲学を持ち、チーム作りができるのは、12球団では落合監督しかいないので、来年から何を信じて野球を見ればいいのか、よりどころがなくなるのは痛いですね。
  もし、他球団で落合監督が采配をとるのであれば、そのチームを全力で応援しますけどね。横浜ベイスターズあたりどうでしょうか? 楽天でもいいです。もちろんヤクルトも大歓迎(笑)。