ギャップ

  私はせっかちな性格で、しかも先を読み過ぎるので、常に現実とのギャップに悩まされます。金融市場ではショートだと思っていても、逆の行動(ロング)をとらざるを得ない局面が多々あり、非常にストレスを感じますね。
  このブログは、自分の考え方を整理したり、現実を乖離している部分については反省して、軌道修正するために設けたのですが、不満のはけ口みたいな部分もあります。普段、「米国破綻」「金融恐慌」「中国経済は強い」みたいなことを警鐘を鳴らす意味もあって、しつこく叫んでいますが、仕事先や一般の人の前であまり声高にそういうことは口にはできませんからね。
  以前、大きな住宅ローンを抱える人の前で「次の金融危機は、リーマン・ショックの比ではない」みたいな話をしたら露骨に嫌な顔をされましたし、中国嫌いでしかも投資信託で大損した人に「中国株持っていたら値上がりして、しかも配当が安定している」とプチ自慢した時は、顔を真っ赤にして「中国なんて信用できるか!」と反論されてしまいました。
  よく偉人伝とか立志伝のたぐいで、時代の先頭に立つ人が周囲から理解されず、偉大な業績を残しつつも、孤独感を感じるという場面を見かけますが、あれと似ていますよね。私自身は別に時代を背負っているわけでもないし、取るに足らない人物ではありますが。
  ちょっと前までは、インターネットのように、優れた知識を共有したり、新しい知識に触れる手段が限られていたので、世界を知ることは難しかったですが、今ではかなりハードルは低くなりつつあります。もちろん、最先端の知識や国家の存亡を左右しかねない情報などには、なかなか容易にはアクセスできず、断片的な情報を集めて、深読みしていく以外に方法はないのですが。
  とにかく、インターネットさえあれば、簡単に情報収集できるし、今までは国のリーダーとか、企業トップくらいしかできなかった、世界を俯瞰するということを、一般人でもかなりできるようになりました。
  それどころか、政治家や会社社長といった人たちが、必要な情報を見落とし、将来見通しを誤って、国や企業を誤った方向に導きつつあるということさえ露見し、それなりの地位、立場にいる人たちが案外無能で、街場の一般市民の方が、時代を的確に見通していることさえ、ままあります。
  米国から中国へと世界の重心がシフトしつつあるのに、いまだに米国に支配されている政治家などは好例だし、新興国の台頭を見通せず、市場開拓やマーケティングで韓国企業に大きく後れを取った、自動車、電機メーカーのトップなんかは、経営者としては失格ですね。民間企業こそ、時代の流れ、世界情勢に敏感であるべきなのですが、それを見極められなかったのは無能以外の何物でもありません。
  こういうところも、私自身の認識と世間の深刻なギャップだし、政治家のアホ面、企業トップのマヌケで、この期に及んでトンチンカンな言動をするのをみると、反吐が出るほど、むかつきますね。
  だから、せっかく、時代を見通せているというアドバンテージがあるのだから、どんな小さなものでもいいから形にしたいし、世間に先駆ける形の結果を残したいですね。
  まずは、身近なことから、トレードでしかるべき結果を残したいですし、さんざん暴落した後に底値ざらえをしたい。次の時代を見据えて新しいビジネスの種をまいておきたい。取り付け騒ぎが起きるなら、手元に現金を残して、涼しい顔をして過ごしたいし、昨年の東日本大震災直後のように食料が消え、飲料水が消えるなら、備蓄しておいて、楽に暮らしたい。もし紙幣が紙切れになるのなら、ささやかな金準備を有効に生かす方法を考えたい・・・。
  取りとめもなく、並べ立ててみましたけど、世間との認識の違い、ギャップに対する不満をプラスのエネルギーに変えて、前に進みたいと思っています。