トレードの極意

  トレードに必要なのは、ファンダメンタルとテクニカル分析のバランスであるということは常々、ご案内している通りです。これはファンダメンタルの範疇に入るのでしょうが、最近は国際情勢にも目を配る必要があります。各国の政治、金融、経済情勢から、将来予測をしていかないと、大きな流れを見失うことになります。
  基本的には、現在の状況は、新興国、特にロシアを含めたアジアの内陸部が急速に経済発展し、国力を増す一方で、ろくに仕事もせずに、資源を独占したり、金融市場で詐欺を繰り広げることで、世界を支配してきた、欧米のインチキがついに限界に達し、主役交代がいよいよ目前に来ているという状況だと考えています。
  ただ、何度も強調しますが、最近のイランやその前のリビア、北朝鮮をはじめとする東アジアで起こっていることを見る限り、欧米が最後の悪あがきをして、世界を混乱に陥れようとしています。
  一寸の虫にも五分の魂というか、さんざん醜態をさらえいている欧米の連中にもプライドが残っていたようで、すんなりとは国家破綻の連鎖→金融恐慌→欧米中心の世界秩序の崩壊、ということは阻止したいようです。
  ここへきて、ニューヨークダウがゾンビのように12000ドルを回復してきましたが、欧州に事実上の量的金融緩和をさせて、資金が米国に流れるように仕向けたのが株価上昇の要因とみるべきでしょうね。欧米は一見、金融問題に関しては一枚岩のように見えて、結局は、米国のペースに乗せられ、じゃぶじゃぶのユーロを使って米国株や米国債の買い支えをさせられているということです。
  イラク戦争の時には、フランス、ドイツは荒れ狂う米国に対して、決然と戦争反対の立場をとりましたが、来たるべきイラン攻撃については、サルコジ、メルケルのバカコンビは、積極的に支持するでしょう。そして、あわよくばおこぼれにあずかろうとするのは目に見えています。
  9・11テロのような分かりやすい事件が近々起こり、世界は再び戦乱の時代へと突入するのでしょう。「イランが危険」「北朝鮮がやばい」「世界は再びテロの恐怖にさらされている」みたいな分かりやすいメッセージを発しながら、全世界を巻きこんでいくことでしょう。
  欧米人がいかに野蛮であるか、いま一度認識しておく必要がありますね。中国の人権がどうのこうの難癖をつけますが、中国は資源を強奪するために海外の国を攻めたことがあるでしょうか? 民主主義を広めると称して、他国を侵略したことがあるでしょうか? もちろん中国国内にはややこしい問題が山積だし、自由が制限され、逆らうと拷問を受けるという、ひどい国ではあります。何より、人が信頼できません。
  どの国だって、国民国家を形成するプロセスで、野蛮な時期を経験しています。自分たちのことを棚に上げて中国を批判するのはちゃんちゃらおかしい。
  それに、欧米人が過去、世界で繰り広げてきた、犯罪行為と比べると、今の中国などかわいいものです。21世紀になっても、戦争で他国の資源を強奪し、兵器の在庫セールをすることで、景気を浮揚するという、伝統的な蛮行を行っているわけですから。むしろ欧米人は何も進歩しなかったといっていいでしょう。
  歴史の大きな流れから考えると、欧米はすでにゲーム・オーバーと考えるべきだし、金融市場もその流れにあらがえないでしょう。
  ただ、短期的には、戦争経済やよその国から分捕った油田で、資金を得るわけですから、欧米経済が(見せ掛けの)上向きを示してもおかしくはないということも考えておかなければなりません。
  だから、先週末にも触れたと思いますが、暴落するにせよ、急上昇するにせよ柔軟に対応する必要があります。オプションで一点張りするのがどれだけ危険か、ぜひ理解してください。そんな簡単に稼がしてくれるほど、今の相場は余裕があるわけではありあません。
  もう一度確認しておきますが、トレードの極意は「勝ち馬に乗る」。これしかないのです。たとえ偽りであっても、浮ついたものであっても、どん底に落ちる途中の欧米が、連敗中に3連勝するならば、3連勝の勢いに乗らざるを得ないし、そこで稼いでいかなければなりません。
  確かに欧米の連中が、まだまだのさばることを考えると、腹立たしいことこの上ないですが、感情に走ってトレードすることだけは避けたいですね。
  「最高値でショートするチャンスが到来する」と頭を切り替えることも大切です。高いところまでわざわざ上って落下する。バカですね。欧米人は。それを見るのもまた楽しいではないですか。