勝った!



  観戦していてエキサイティングだったが、これほど疲れる試合もなかった。とりあえず、東北楽天が勝ててよかった。しかし、なぜ、両チームが最下位争いをしていて、打線は超一流の埼玉西武が最下位に低迷しているのか、本日の試合を見ていて、よーく分かりました。


  試合は、4-4の同点で迎えた9回表、楽天・横川が西武のクローザー、牧田から2ランを放って、勝ち越し。さらに後続がヒットでつないで2点を加点し、8-4の大差で勝利しました。
  西武が先制して、楽天が追いつき、追い越し、またひっくり返されるという手に汗を握る展開で、私は、アウェーに弱い、楽天が根負けするかと思っていましたが、思わぬ勝ちを拾ったという感じでした。


  先発は予告通り、西武・涌井、楽天・岩隈。さすが(一応)エース対決だけあって、ランナーを出しても大崩れすることなく、締まった試合でしたが、どちらも決して調子はよくなかった。


  涌井は毎回のように得点圏にランナーを背負う苦しいピッチング。いつも通りの楽天のここぞというところで一打が出ない拙攻に助けられて、何とか5回まで投げ切りました。


  一方の岩隈も本調子とは程遠く、ストレートはマックスで138㎞/時。すらりとした長い手足からボールを繰り出す、美しいフォームも、なんとなくぎこちなく、のらりくらりとかわしていましたが、6回にクリーンアップにつかまり、中島の単打の後、おかわり君こと中村剛の完璧な左越えホームランを浴び、この回でノックアウト。


  サッカーもそうですが、埼玉県民の皆さんは熱いですよね。おかわり君のホームランで、球場内は、歓声で沸きに沸き、楽天ファンは多勢に無勢でした。東京ヤクルトとの交流戦でも、神宮球場は西武ファンの方が多いですからね。
  楽天は本拠地Kスタ宮城では強いですが、ビジターは弱いので、「もう今日は西武の勝ちだな」と半ばあきらめていました。


  ところがです。西武は中継ぎ、抑えが弱いんですね。先発は帆足やら岸やら、それなりにビッグ・ネームがいますが、岡本篤、星野、木村・・・、誰それ? でした。
  ここが西武低迷の理由だったんですね。6月の交流戦でヤクルトがぼろ負けした時は、西口で完投してしまったので、「なぜ、このチームが最下位なんだろう?」と疑問符だらけでしたが、腑に落ちました。
  楽天も先発が、ぱっとしないし、中継ぎ、抑えもいまいちですが、小山、青山そして、先発もこなせるユーティリティーのラズナーと、西武よりはちょっとはましかなぁと。だから、こんなメンバーでも最下位は免れているんですね。


  西武は打線は、超一流です。しいて難点を挙げれば、細川亨が抜けた後の正捕手か? パチンコ屋さんみたいな名前の外人が7番しかもDHって(笑)。
  楽天はただでさえ選手層が薄いのに、鉄平が不振で戦線離脱。なぜ岩村を獲って、渡辺直を横浜に放出したのか理解に苦しみます。高須は渋い選手ですが、3番はねぇ。安定していれば草野か、外人でしょうか?
  山崎は調子いいですが、そろそろ、別の4番を育てるか獲得するかしないと苦しいですね。横川は使えそうですが、嶋がさえないのが気がかりです。
  しかし、普通に考えると、一番はリードオフマン聖澤でいいと思うのですが、わざわざ松井稼にする必要はあるのでしょうか。星野さんの采配、選手起用は理解に苦しみます。


  ソフトバンクは抑えの馬原、ファルケンボークが離脱するなど、オールスター後やや調子が落ちましたが、投打のバランスがいいですよね。
  日本ハムも、ダルビッシュ以外はひいでたものは特にないのですが、伝統的に継投がうまいのと、打線のつながりの良さで、好位置をキープしています。


  勝ったものの、上位2チームとの実力差が何となく垣間見られた一試合でした。まだ、クライマックス・シリーズ挑戦権が得られる3位への道は閉ざされていないので、楽天、西武ともに最後まで粘り強く頑張ってほしいと思います。
  今年は特別な年なので、楽天を最後まで見守りたいと思いますし、東北の底力で、周囲をあっと言わせると期待しています。
  しかし、岩隈さんは、本当にメジャーに行っちゃうの? さすがにストレート140㎞/時出せないと厳しいでしょう。楽天に骨をうずめ、愛され、尊敬される投手であり続けるのも悪くないと思うのですが、どうでしょうか?