定額使い放題

  私は兼業トレーダーですが、本業は割と時間的に余裕があり、トレードの方もかつてのように一日に何度も売買してせこせこと稼ぐというスタイルから転換し(転換を余儀なくされ)、乗れれば乗せてもらうみたいなスタンスに変わり、経済的にも時間的にも精神的にも、そこそこゆとりがある生活を送っています。
  適度なボラティリティーがあったら、トレードだけでも食っていく自信はありますが、それ相応のリスクもあるわけで(大恐慌、資本主義経済の終焉など)、大きめのローンを組んだりするときには社会的な信用も必要だという現実的な事情もあり、現在の状況でいいと思っています。
  このブログをやっていると、たまにサラリーマンの方から、「時間に余裕がなくてもトレードは可能ですか」とか「ポジションを放置しましたが・・・」みたいな相談が寄せられますが、ケースバイケースですよね。
  当面は、これ以上下がらないところまで下げた、ありは逆にこれ以上の上昇はありえない、みたいなところでポジションを仕込んで、ゆったりと値を動くのを待つみたいなやり方だったら、日中忙しい人でもトレードは十分可能だと思いますが、現実にはそんなにおいしい局面はめったにあるものではありません。
  ある時、何の脈絡もなく突然1000枚成り行き買いが出たとか、午前10時を過ぎて当面の方向性をめぐって重要な売買の攻防が繰り広げられたみたいなことは、割とあるので、べったりとまではいかないまでも、適度にチャートや板をチェックできる環境は必要だと思います。
  社会の一線で活躍している人なら、物分かりも良いし、必死になって技術を習得したいという意欲も強いでしょうから、そういう人たちのための情報発信とか、トレードセミナーなんかを開いて、手助けしたいとも思いますが、やはり、最低限の環境が整わない限り、こちらとしても品質保証はできかねるので、難しいですよね。
  人生において、何の仕事をするかというのは、どうやって社会に貢献するか、社会を支えるために自分に何ができるかということに直結するので、やはり大切なことだと思います。いろんな事情があるとは思いますが、何の努力もしない引きこもりの連中に対して、嫌悪感を持つのもそのあたりですよね。
  会社勤めの人って大変だと思います。この先の日本経済を考えると、一生懸命働いたって明るい未来が開けるとは限らないし、ラッシュの電車に揺られて出社して一生懸命仕事に没頭したって、必ずしも結果が出たり、報われたりするわけでもない。
  しかも、給料だって、能力や実績を反映する制度がかなり取り入れられているとはいえ、身を削って働いても大して収入が増えるわけでもなく、まさに「定額使い放題」ですよね。今の厳しい雇用情勢だと、転職なり同業他社へ移れる人など限られているわけで、いつの時代も一般人は生きるために必死にならざるを得ないということをあらためて感じさせられます。
  こういうところは、何に楽しみを見いだすかなんでしょうけれどもね。「人生、カネだけが目的じゃない」と開き直るというのもありでしょう。安月給でも仕事に生きがいを見いだし、脇目もふらず必死に働くのが日本のサラリーマンの美徳でした。
  ただ、時代や社会の環境が大きく変わり、よほど飛び抜けた能力を持つ人でない限り、「その人じゃないとできない仕事」ってそんなにないんですよね。みんな、「自分がいなければ仕事が回らなくなる」と思い込んで、あるいは信じて一生懸命になってきたんだけれども、その人がいなくなって、多少の不便はあっても、業務が完全にストップするなんてことは、まずあり得ません。
  これからの時代、世の中を渡っていくのは、ますます難しくなっていくと思います。自分の好きな道に打ち込める人や、一芸に秀でた人は、それぞれの道を究めればいいと思いますが、そうでない人は、定額使い放題に甘んじるしかありません。
  あとはちょっとしたサイドビジネスとか、アパート・マンション経営とかですかね。うまくいけばいいですが、これも一筋縄ではいかないでしょう。
  トレードは? 私は護身用にトレード技術を身に付けましたが、難しいですよ。はっきり言って。いつまでも成功し続けるかどうかは分からないですし、相場自体が消滅する恐れもあります。
  定額使い放題からから抜け出すために、どうすればいいか? 要領の良さなんかも必要になってくると思いますが、そんな力量、器量があれば、そもそも、そのような境遇には陥っていないわけで・・・。生きていくのって大変ですよね。