研究の必要性

  私は、個別株からトレードの世界に入ったのですが、個別株を短期間で売買するというのは、かなりの精神的プレッシャーを伴います。買うといつどんなニュースが入って、大暴落するか分かりませんし、売れば、上がる株はとことん上がるので、「空売りは青天井」の格言通り、怖い思いをさせられることになります。
  かつての日経平均先物は、それこそテクニカルに沿って、規則正しく動いていたので、値動きが読みやすく、リスク管理がしやすいということで、人気を博しました。私もそうしたメリットに魅力を感じて先物に参入したクチです。
  「ハイリスク・ハイリターン」といわれますが、先物は値動きの仕組みや相場の癖を把握していれば、リスクをほぼヘッジでき、ローリスク・ハイリターンとはいかないまでも、ミドルリスク・ミドルリターンぐらいは余裕で実現でき、非常に魅力的な投資対象でした。
  ところが、リーマン・ショック以降、相場環境が激変し、かつては騙される人が多かったので、相場に潤沢な資金が流れ、それなりの値動きがあったのですが、今では、限られた相場参加者、資金をめぐっての騙し合いになってしまったので、値動きが窮屈で、しかも一部の人たちの思惑で政治的に(ギャップや窓を開けて)、価格操作されてしまうので、まったく妙味のない市場になってしまいました。
  2月中旬以降、市場環境は変わりつつありますが、上昇相場にもかかわらず、ところどころで非常に窮屈な動きをします。本質的には大きな変化はないということです。
  FXなんかもだんだんそうなりつつありますね。ドル・円なんかは2010年秋以降、為替介入が入ることで、人工的に価格形成されるようになり、米国の衰退、国家破綻に向けて素直に下落すればいいものを、しつこく下げ渋るので、とっつきにくい相場になってしまいました。
  ユーロなんかは、上下する余地は大きく、ダイナミックな値幅をしてもいいはずなのですが、こちらもドル同様、値幅がコントロールされ、一部の相場を動かしている人たちの思惑によってしか動かないので、手出ししにくいです。
  どうしても、見慣れた市場の方が、勝手知ったるなんとかなので、取引しやすいし、今までの研究の積み重ねもあるので、なかなか無視しづらいのですが、世の中、市場で取引され、個人投資家が容易に参入できる、金融商品、コモディティーはたくさんあるはずです。
  日経先物にせよ、ドル・円にせよ、明らかにみえみえのインチキをするので、そこを狙ってポジションを取れば確実に稼げるというのはあるのですが、どんどん値動きが小さくなり、しかもトリッキーな動きをするので、ぴったりと相場に張り付いてまで、取引する魅力は薄れつつあります。
  今はそこそこ値動きが回復しつつあるので、お付き合いしていますが、先物やFXがだめなら、ほかがあるさ、でいいのかなと感じつつあります。また、短期売買の視点でしか個別株を見ていませんでしたが、欧米の国家破綻、金融恐慌後の新しい時代を見据えて、底値で買って、配当狙いや長い目で見た値上がりを期待して、長期保有も考えていいのではないかと思うようになりました。
  中国株なんかも絶好の狙い目ですよね。私はすでに何銘柄か、長期保有していますが、もう一度、金融恐慌後どうなるかという観点で、洗いなおして、買う準備を進めてみたいと思います。
  また、金融商品だけでなく、金や原油など、コモディティーを研究して、押し目買いなり吹き値売りを狙ってみても面白いかもしれません。
  かつての日経先物のように、参加者やお金が集まるマーケットの方が、チャンスが大きいに決まっています。だから、そろそろ本業を変えるべく、本格的に研究すべき時がきているんだろうと思います。
  タイミングもあるのでしょうけれど、先入観を持たず、何が妙味があるのか、常に追求していきたいと思いますね。もしかすると二度と先物に戻ってこないかもしれません(笑)。