神様の贈り物



  ファウルボール獲ったど~!! 東京ヤクルト-中日戦、八回裏ノーアウト、ランナー無しで中日・浅尾投手が、ヤクルト・バレンティン外野手に投じた第4球目、力負けした球が1塁側バックネット寄りの内野席に飛び込み、私が座っていた席の近くにポトリ。見事にゲットしました。
  試合は、5-3で中日が勝利。ヤクルトファンの私にとっては痛恨の試合でしたが、いろいろと学ぶべきことは多く、そういう意味では、いい試合だったと思います。
  神様が哀れなヤクルト・ファンにお恵みをくださったのでしょう。私がゲットしたボールはNPBのロゴが一部、つぶれていて、浅尾投手の時速147キロのストレートと、スラッガーバレンティン選手のバットがぶつかった衝撃が生々しいです。“★Official Ball★”の文字がほぼ完全に残っているのがいいですね。
  鑑識に回せば、おそらく、浅尾投手と、谷繁捕手の指紋が採取できることでしょう(笑)。こういうものとは無縁だとばかり思っていたので驚きです。足しげく通っているとこういうこともあるんですねぇ。
  バレンティン選手に対しては、外野席に飛ばせよ! と思わず突っ込んでしまいそうですが、浅尾投手ナイスピッチングでした。宝物にします。




  あらためて試合を振り返ると、セ・リーグの実力の低さを痛感するとともに、その中でも、ヤクルトの野球の粗っぽさ、そして中日のうまさが際立ちました。
  開幕以来、ヤクルトはここまで首位をキープしてきましたが、途中までは投打がうまくかみ合っていたという面はありますが、ラッキーの要素も大きかったということですね。今日の野球を見て、はっきりと認識しました。


  まず、スタメンをウォッチすると、そもそも、中日の方が格上であるということがうかがえます。トップの荒木から4番・和田まで、多少いじることはあってもブレませんね。ヤクルトは1、2番は不動ですが、3、4、5番がぐだぐだ。特に外人が安定しません。ガイエルが戻ってきたのはいいですが、ホワイトセルが戦線離脱、バレンティンは当たると大きいが、打率は低い。
  そして、本日のカギは5番・ファースト谷繁。スタメン発表の時、一瞬、場内の中日ファンからも、ヤクルトファンからも、驚きの声が聞かれましたが、ここが落合采配の妙。中盤に結果がテキメンに表れます。


  先発は事前予想通り、ヤクルト・赤川、中日・ソト。両チームともローテーションの谷間で、苦しい台所事情が垣間見えます。どちらもMAX140キロそこそこ。
  先週観た、埼玉西武-東北楽天戦は、涌井と岩隈の投げ合いでしたが、両投手とも不調で、140キロ出ませんでしたが、それでも、さすがエース同士の対決という、風格を感じさせました。
  本日のヤクルト-中日戦はヘボ投手同士で、どちらが早いイニングでくたばるかというところが焦点でした。ところが、打線がピリッとせず、両投手が5回まで投げ抜いてしまうという、とんだ番狂わせ。こうなると代打と継投がポイントになります。


  ヤクルトは、3-1リードの五回一死で川端が3ベースヒット。4番・畠山が三振で、2死となったところで、続くバレンティン、ガイエルが四球を選び、満塁となったところで、川島は内野フライで万事休す。ここは代打策でもよかったのではないか?
  まあ、川島は第1打席でヒットを打っているのでそれはいいとして、小川監督は六回に赤川を続投させるんですね。それは強力・中日打線をなめています。
  六回表は谷繁とグスマンがそれぞれ単打で、2死1、2塁、8番・捕手小田のところで、落合監督は、代打に平田を送ります。これが見事に的中し、平田は3ランで、4-3と逆転。ヤクルトファンから大きなため息が漏れました。
  赤川はこの回限りで交代しますが、どう考えても代えるなら、平田の前ですね。とても抑え切れるようなかんじでなかった。
  中日は初回の荒木の先頭打者本塁打も効きましたね。1番・荒木が塁に出て~♪ どころか、ホームランうっちゃった。


  そして、その裏のヤクルトの攻撃のところで、谷繁を5番・ファーストに置いた意味が分かります。谷繁を捕手に座らせ、3ランの平田をそのままライトに入れたのです。
  谷繁もそろそろいい歳なので、小田を育てるという意味もあるのでしょうが、こうすれば谷繁も試合勘が鈍らないし、打率は低くてもチャンスではにらみが利く。こういう起用方法もあるんですね。
  平田は、八回の打席でも、2打席連続となるソロホーマーで、これでヤクルトは撃沈しました。 中日は、浅尾→岩瀬の「方程式」で危なげなく勝利。一方ヤクルトは、勝っていたのに、赤川→山本哲→橋本→渡辺→ 川本と負け試合の投手リレーでした。中継ぎ、抑えがぱっとしないですからね。本来は押本→バーネット→林昌勇でいきたいところですが。


  監督の力量の差、選手の実力の差をまざまざと見せつけられた試合でした。今の順位はかならずしも、チームの力を反映しているものではないということです。ただ、中日は、もっと早くヤクルトに引導を渡しているべきだったと思いますが、そこが低迷の原因でもあるでしょう。
  負けはしましたが、いろいろなことを勉強できて面白い試合だったと思います。野村監督が落合監督を高く評価する理由がわかります。
  巨人・原監督、阪神・真弓監督が指揮を執る限り、中日の優位は変わらないでしょう。セ・リーグはここから、もつれる可能性がありますね。


  とにかく本日はドラゴンズ・デー!! あっぱれでした。