自動車の未来~東京モーターショー2011 軽自動車・大型車





  最近、軽乗用車の燃費競争が激しくなっています。代表格はダイハツの「ミラ イース」とスズキの「アルト エコ」。どちらもリッター30キロクラスの低燃費車です。




  でも、軽乗用車って、エンジンスペースなどに制約があるので、意外と燃費を食うんですよね。走行の仕方やモードにもよるので、一概に比較できるのかどうかは分かりませんが、トヨタ自動車の最新鋭のハイブリッド型コンパクトカー「アクア」なんかはリッター35キロで、プリウスも最新モデルは余裕で30キロを超えてきます。
  自動車工業会なんかは、普通乗用車の方が燃費がいいのに、軽自動車より割高な税負担を強いられているなんて主張して、是正を求めていますよね。
  普通乗用車の税負担が軽減されれば、車両本体価格は安くても、トータルでは普通乗用車を購入した方が、お得なんてことになるかもしれませんね。
  軽は軽で小回りが利き、運転しやすいし、駐車スペースが小さくてもすむので、特有のメリットもあるのですが。


  スズキは資本・業務提携をめぐって、独フォルクス・ワーゲンと泥沼のバトルを繰り広げていますが、魅力的なのはインドでの圧倒的なシェアですよね。
  トヨタ自動車や日産自動車、ホンダなどが総じて、欧米で販売が強く、新興国で出遅れていて、VW、韓国・現代自動車、米ゼネラル・モーターズなんかの後塵を拝していたりするのですが、その点で、スズキは非常にユニークですね。


  インドでは、大衆車として比較的コンパクトな乗用車が好まれ、売れ筋となる傾向にあり、スズキが最も得意とする分野であるのが大きいですね。
  トヨタ、日産、ホンダだけが自動車メーカーではない。多様性を維持してきた日本だからこそ、こうした面白い現象がみられるんだと思います。
  いつどこで何がブレイクするか分かりません。韓国のように1990年代の金融危機で、国際通貨基金(IMF)に徹底的に経済を改造され、1業種1社にされてしまった国と、多様なメーカーが共存する日本。
  どちらがいいとは断言はできませんが、日本人のマインドとしては、選択肢はたくさんあった方がいいですよね。




  日本の乗用車メーカーは本当に多様ですが、トラックも負けていません。時間がなくて、駆け足で見て回るような状況でしたけど、トラック・バスの展示スペースもそれなりの規模でした。




  トラックもやはり、低燃費のアピールが中心でしたね。日野自動車はトヨタグループらしく、ハイブリッドタイプのバス、トラックを提案していました。
  大型車に関しては、正直、あまり明るくないのですが、走行距離がハンパではないし、当然、使う燃料の量も膨大になるでしょう。乗用車よりもむしろ、大型車の方が日本の強みが発揮できるのではないかと思いますね。
  軽油なんてもともと割安ですけど、それでも、低燃費技術で、1割でも、1.5割でも燃費を向上できれば、運輸事業者にとってはかなりの経費節減につながるのではないでしょうか。




  日本の大型車メーカーの弱みはやはり、海外での販売網の弱さでしょうかね。海外旅行に行くと、どの地域に行っても、燃費が悪く、頭も悪そうな某欧州メーカー製のトラック、バスが幅を利かせています。
  それに比べると、日本の大型車は何とスマートに見えることか。




  バスなんかもよくよく観察すると面白いんでしょうね。日本のバス会社は結構、早いサイクルで新型車を投入しています。
  今は、かなり大型車も業界再編されてしまいましたが、国内市場がそこそこ大きいので、乗用車同様、多くのメーカーが共存してきました。




  大型車の展示スペースを回ってみて、日本は本当に自動車大国なんだなと、あらためて感じさせられました。