道連れ

  昨日、一昨日あたりは米国と韓国のFTA締結のニュースがやたら流れました。ああいうのは明らかに洗脳というかプロパガンダですね。「日本もバスに乗り遅れるな」という危機感をあおって、環太平洋連携協定(TPP)参加に持ち込もうという意図が露骨に感じられます。経団連(その上部団体が米国政府)の意向を受け、メディアが操作されたということでしょう。
  ウィキリークスでも流出したので、米国が何を考えているのかは明白ですね。“自由経済”の名の下、アジア太平洋地域でイニシアチブを取り、自分たちの都合よく支配しようということです。10年前に日本の金融機関を攻撃して、完膚なきまでに叩きのめして、支配下に置いたように、農業や保険などさまざまな分野に触手を伸ばそうとしているわけです。
  日本のメディアはアホなんですかね? そもそもFTAとTPPは似て非なるものです。FTAは2国間の協定なので、細かい条件は2国間の交渉で詰めることができますが、TPPは多国間なので、有象無象、さまざまなわなが仕掛けられていてもなかなか、覆すのは難しい。しかもいったん締結した後に「足抜けしたい」と言っても、他の参加国から一斉に攻撃されるのは必至で、自主、自立を捨ててまでそんなものに参加する必要はあるのかということです。
  しかし、まともに同じ土俵で競争したら、はっきり言って、日本が米国に負ける分野は何一つないと思います。米国が力でねじふせようとして、政治力を行使するから負けるのであって、例えば金融なら、本来、日本の金融機関が持っていたきめ細かなサービスや、取引先との綿密なコミュニケーション、業務の正確性など、金融機関として当たり前の業務は、米国の金融機関にはできません。
  こちらを丸腰にさせておいて、暗闇で棍棒で殴りつけるという、強盗のようなことを米国はやったのです。TPPによってさらに、広い範囲で強盗行為を働こうとしているのです。
  韓国がFTAで米国への輸出で有利になるといいますが、一国が輸出でぼろ儲けしようという時代はもう終わっています。貿易摩擦や為替、資源調達、災害などさまざまなリスクを勘案して、消費地に近いところで生産を行うというのが世界の流れで、日本は韓国の一歩先どころか、背中が見えないくらい遠くに進んでいます。
  米国でのビジネスを拡大したいなら、日本から船でモノを運ぶよりも、ドルが暴落中の米国で生産したほうがコストは安く、効率的だし、さらにコストを下げたいなら、メキシコに工場をつくって、輸出する方法もあり、日本の技術や商品開発力を生かして、メキシコでモノづくりをした方が、韓国から輸出したものよりもはるかに競争力が高いです。
  それに、韓国が輸出を拡大させているといっても、ウォン安の影響はやはり大きいです。別に韓国製品が魅力的だから買っているわけでなく、リーズナブルな値段で、そこそこの商品がつくれるから選ばれているわけであって、貧乏な米国人は韓国車やサムスンのテレビしか買えなくなっていますが、“日本ブランド”が浸透している金持ちの中国市場ではトヨタやニッサンのそこそこのクラスの車がばんばん売れ、海外メーカーでは断トツで日本のソニーやシャープのテレビが人気です。
  今の李明博政権は、完全に米国の傀儡政権であるので、韓米関係は、小泉政権時代の日米関係以上に良好です。だから、韓国を優遇することで日本をけん制しようという意図はありありと感じられますね。そんな単純なトリックに引っかかってはいけません。米国は韓国など北朝鮮の恐怖を利用して、いつでもひねりつぶせると考えているから、泳がせているだけです。
  何で落ち目の米国の言いなりにこれ以上従わなければならないのか? もちろん、日本の農業は問題を抱えているし、地方活性化、過疎の問題を合わせて、抜本的な改革をしなければならないのですが、その解決策をTPPに求めることは筋違いでしょう。保険などの目玉分野も同様です。
  得体のしれない遺伝子組み換えの農作物や、ジャンクフード漬けにされて、もはや末期症状の米国人のようになりたくないし、アヒルが出てくる、気色の悪いCMでおかしな保険商品を買わされ、健康や老後の不安を増大するのも断固としてお断りです。
  米国が没落したら、韓国という国は苦境に陥るでしょうね。今はジャイアンの力を背景に、虎の威を借るスネ夫みたいなもので、いろいろと偉そうにしていますが、一皮むけば貧しい国なのです。
  朝鮮半島が統一されたら、韓国がイニシアチブをとるような考えを多くの人が持っているかと思いますが、私は全く逆の立場ですね。北朝鮮が韓国を吸収するのではないかと思っています。中国やロシアの影響下にある北朝鮮の方がポテンシャルがあると考えた方がいい。
  米国は、国家破綻して中国やロシアに国力で抜かれるのです。その米国の威光を背景にしているにすぎない韓国がのさばるのを中国、ロシアが許すのか? 朝鮮半島は両国にとって安全保障上重要な位置にあり、まずは韓国をつぶすというのが常識ではないでしょうか?
  国の成り立ちからしても、第2次世界大戦後、どさくさにまぎれて韓国という国がつくられ、出自があやしいのに対して、北朝鮮もでたらめな部分が相当あるのですが、金日成を中心に朝鮮人が団結してみずから建国したという「正統性」があるのです。韓国人が北朝鮮にシンパシーを感じるのは建国の歴史の違いがあるという面は大きいと思います。
  中国の軍人は朝鮮戦争を戦った世代は、北朝鮮については思い入れが強いですね。みすみす米国の息がかかった韓国に主導権をゆだねるとは思えないし、もしそうなれば、中国の指導層は軍人を敵に回すことになりかねない。
  こうしたこともあって、米国がいなくなれば、中国、ロシアによって朝鮮半島は処分されることになるでしょう。統一朝鮮半島は北朝鮮が主体となって、(中国、ロシアの意向を受けて)統治する方向になります。そのことを謙虚に認識しておかないと、韓国人は再び悲劇に見舞われることになります。
  台湾についても同様ですね。ただ、台湾については、国際政治を超えた部分で、日本との精神的な結びつきが強いので、実質的には中国の配下にありつつありますが、独自の日台交流は続くでしょう。東日本大震災の時の台湾の反応は忘れてはならないでしょうね。米国の没落で世界の勢力図が変わる一方で、国家がしゃしゃり出るよりも、民間の交流が地域を動かす時代になっています。どれだけ中国の存在感が増そうとも、人々の意識の方が先を進むでしょうね。
  まあ、とにかく、TPPについては、もうちょっと大局的に考えるべきでしょうね。韓国は意図しているかどうかは別として、米国と道連れ心中するつもりのようです。素人感覚で米国と、中国、ロシアのいずれにつけばメリットは大きいか、分かりそうなもんですがね。小国、属国の悲しいところです。