B級グルメを満喫! プラレールでGO!





  ゴールデンウイークに入って、関東地方はきれいに晴れたのは、最初の2日間だけ。曇りやぐずついた日が続いています。まあ、雨が降るなら降ったで、それなりの過ごし方はあります。春先まで低温が続いたので、せっかく気温が上がったにもかかわらず、空が晴れ上がらないのは、もったいないし、残念なのですが、雨を気にせずに楽しめるということで、以前からちょっと気になっていた、幕張メッセで開催のフリーマーケットへ行ってみました。
  幕張メッセでは、フリマと同時並行して、プラレール博も開かれていて、子供の頃、お世話になったこともあり、めったにない機会なので、訪れてみることにしました。






  午前11時すぎに京葉線に乗ったのですが、電車は結構混んでいて、葛西臨海公園や有名なネズミ君たちが歓迎してくれる夢の国の最寄駅でかなりの人が下車していきました。目的地の海浜幕張駅に着くと、これまた多くの人が下車し、下り階段にたどり着くまで結構な列。幕張メッセのイベントに向かう人もいるでしょうし、アウトレットモールがお目当ての人もいるでしょう。
  メッセにせよフリマ、プラレールにせよ、それなりの集客力を感じます。朝からまとまった雨が降っている影響もあるでしょうね。買い物や室内イベントは、天候にあまり左右されないでしょうから。






  フリマ会場には正午前に到着。大勢の人でにぎわっていました。フリマといっても、特に何か買いたいものがあるわけでなく、「日本最大級」ということなので、どれほどのものなのか見てみたかったのと、どんな人が訪れているのか、何を買っているのか、何が人気なのかということを観察するのが目的です。
  テレビの情報番組によると、結構、気軽に出店できるようで、しかも、うまく商品を売ることができれば、ちょっとした収入になるということで、一般の人がかなり力を入れて、参加しているようです。その辺の事情も分かればと思いました。
  当たり前のことですが、プロあるいはフリマに精通し、兼業でやっているようなセミプロと思われる店がほとんどでした。扱っているものは圧倒的に衣料品が多かったです。アクセサリー類もそこそこありました。
  星の数ほど出店があるので、なかなかすべてを補足するのは難しいでしょうけど、エリアごとに女性用の服とか、Tシャツとか、靴とか、カテゴリーが分けるとか、詳細なマップがあれば便利なのですが、多種多様なお店が混在しているので、何を手掛かりに見て回ればいいのか、分かりにくいです。
  あてもなくぶらぶらして、掘り出し物とか思いがけない品を発見するのが、フリマの醍醐味だと言われればそれまでですが、人混みの中で、つぶさに見て回るのは至難の業なので、その辺、工夫があるとありがたいですね。


  ただ、私自身は古着とか中古品など、人が使い古したものを買っても、往々にして、悪い運気を引き寄せるだけなので、よほどのものがないと、買うつもりはありません。見ていると、人でごった返している割には、物を買っているのをあまり見かけませんでした。やはり、その辺はシビアですね。それでも、これだけ集客力のあるフリマはめったにないでしょうから、ちょっとした、お金儲けを目指す人にとっては、願ってもないビジネスなのでしょうけれど。
  一つだけ心惹かれたのは、雑貨を扱うコーナーにあった、「ゴン太くん」でした。ビニール人形を買ってもいいかなと一瞬、思いましたが、人形は気を発したり、吸ったりするので、やめておきました。


  中古車を扱うコーナーもありました。これは面白いですね。幕張メッセという、広々とした会場を使用しているメリットを生かした会場運営だと思います。




  車を売っているのかと思いきや、出店者が車で乗り付けて物品を販売するエリアもありました。車は倉庫や、販売者の休憩スペースなどとして活用されるのでしょう。
  都心から近い場所で、これだけの規模の広さを確保できるのは、幕張ならではですよね。加えて首都圏からまとまった数の集客も見込めるので、店を出す側にとっては、とても好条件ですね。
  雑多な店が密集し、人でごった返している中を歩くのは、なんか楽しいですよね。かつては商店街なんかがそうだったんでしょうが、時代が変わり、そういう場所はどんどん少なくなってしまいました。
  きれいで洗練された店ばかりが並び、高度なマーケティングで人を引き付ける渋谷ヒカリエとは対照的です。どちらがいいとか悪いとかではないですけどね。
  ただ、町おこしとか、にぎわい創出なんかを考える上では、雑多な商店があつまり、ある種猥雑な雰囲気を出した方が効果的ですよね。常設は無理でも、時々、フリマのような催しがあると面白いですね。


  混んでいるから、ゆっくり食事などできないだろうと思って、あまり期待していなかったんですが、会場の一角には「幕張うまいもん祭り」という全国各地のB級グルメや、特産品を売る屋台を集めたフードコートが設けられていて、飲食スペースはそれなりに広く、人は多いものの、入れ替わりがあって、座って食べれる余裕がありました。
  都内で時々、B級グルメのイベントが開かれますが、人が多く、人気のお店には、大行列ができるので、つい二の足を踏んでしまいますが、このフードコートでは、メインの目的がフリマであるせいか、行列はそれほどではありません。こうなると、これを利用しない手はありません。ちょっと気合を入れて臨むことにしました。


  まずは目を引くのは、やはり、東日本大震災からの復興ということで、東北地方から出店している、B級グルメ、ご当地メニューです。
  本当にささやかではありますが、復興支援になるし、現地に行かずとも、一カ所でいろんな味を楽しめるというのは、うれしいですね。




  手始めに、甚大な津波被害に見舞われた宮城県・気仙沼からのエントリー、「気仙沼ホルモン丼」(800円)にチャレンジしてみました。
  B-1グランプリなんかを見ていると、超人気の厚木シロコロをはじめ、もつ焼きそばとか、ホルモンや内臓を使った料理が多いですね。
  焼き肉店でシロコロホルモンは食べたことがありますが、その他のB級グルメのホルモンものは食べたことがないので、どんな味なのか楽しみです。
  気仙沼ホルモンは、弾力がありました。ただ、作り置きしてあったせいか、冷めていて生煮え感があったのが残念でした。あと、たれにインパクトがなく、ご飯との一体感がありませんでしたね。もう一工夫あれば、もっとおいしくいただけたと思います。ポテンシャルはあると思いますがね。






  二軒目は、震災に加えて原発事故にも見舞われた福島県のご当地メニュー「えごま豚のステーキ」(600円)です。気仙沼ホルモンの隣の屋台なのですが、風評被害というのはひどいですね。ほかの屋台には、長い行列ができているのに、福島の屋台の一角はあまり人がいません。
  それでも、ぽつぽつと客が来ていて、それなりに回転はしているようでした。人それぞれ考えはあると思いますが、不幸中の幸いというか、原発事故はあの程度ですんだし、まき散らされた放射性物質も、大気圏で核実験をやっていた時代とそう大きく変わるレベルではありません。
  本当は、政府がもっと、しっかりしたデータを示し、風評被害回避に努めなければならないのに、あの体たらくですからね。ひどいものです。「放射能怖い怖い」の偽善者どもにも本当に困ったものです。安っぽい正義感をふりかざすことで、どれだけ福島に迷惑をかけていることか。
  店員の人にひと声かけてあげようかとも思いましたが、いちいちそんなことをほじくり返したところで、どうなるものでもないので、私にできることは福島県産品を食べて応援することぐらいなので、粛々と実行することにしました。
  判官びいきするわけではありませんが、このえごま豚のステーキ、噛むと肉汁があふれ出し、豚肉の甘みと、塩をベースとした味付けがよく合っていて、本当においしかった。B級グルメというよりは、しっかりした食事として食べられる一品でした。
  こんなに素晴らしい産品があるのに、風評被害で正当に評価されないというのはかえすがえす、もったいないし、悔しいことです。店員さんの明るい姿に救われました。




  B級グルメというと、各地の焼きそばがしのぎを削ります。中でも秋田県の「横手やきそば」は超有名ですね。B級グルメのやきそばはこれまた初めてなので、わくわくします。
  ネギがのった750円の横手焼きそばにしました。目玉焼きと福神漬けがトレードマークで、ネギがのると色取りがとてもきれいです。
  太めで角ばった麺が特徴です。ひき肉を使っているようなのですが、あまり存在を感じることはできませんでした。店によってオリジナルの味付けだそうですが、ソースはとんがり過ぎず、甘すぎず、ちょうどいい感じでした。
  屋台の焼きそばだと、たまにソースにむらがあったりするのですが、しっかり味付けされていて、作りは非常によかったです。目玉焼きとの相性もいいですね。
  ただ、一つ思ったのは、確かに良くできた焼きそばではあるのですが、目玉焼きを乗せた焼きそば自体は、夏祭りの屋台でよく見かけるし、「横手」ということを隠して、同じ焼きそばを売ったら、ただの焼きそばとしてしか扱われないでしょう。これは福島の浪江焼きそば、宮城の石巻焼きそばなんかにもいえることでしょうけどね。
  地元に行って食べる分にはいいですが、よその都道府県で物産展とかでご当地焼きそばとして売られても、そんなに感動するものなのか、やや疑問があります。横手ブランドのネームバリューなのでしょうが、750円はちょっと高いですよね。




  で、腑に落ちないものを感じつつ、性懲りもなく、焼きそばをはしご。静岡県の「富士宮焼きそば」(500円)を攻めました。
  油かすと魚(サバ、イワシなど)の削り粉をかけるのが特徴のようで、確かに風味を感じられます。ただ、お好み焼き店などで焼きそばを頼むと、揚げ玉を使ったり、カツオブシの粉末をかけてくれたりするところもあるので、これも申し訳ないですが、特筆すべきものではないですよね。
  屋台の焼きそばは強い火力を利用して、派手な動作で焼くので、華がありますが、B-1グランプリとして、他都道府県に売り出すのはどうなのかなと思います。微妙な工夫、味の違いがあることは認めますが、ベースはそう大きく変わるものではないですからね。




  4軒はしごして、満腹だったのですが、最後に一品だけどうしても食べたいものがありました。山梨県の「鳥もつ煮」(700円)です。キンカンの色に妙に心惹かれるものがあります。
  ほうとうもあったのですが、さすがにお腹がきついので断念。とても残念。友人と日帰りで石和温泉に行ったとき、甲府で食べたほうとうの味は忘れられません。身近にほうとうのお店があれば、間違いなく味噌ラーメンよりも頻繁に通うことでしょう。
  鳥もつ煮は醤油と砂糖で甘辛く煮こまれていて期待通りの味でした。焼きそばと違って、こういうのは違いを打ち出しやすいですよね。レバーや砂肝など、食感が違うものが入っていて、食べ飽きませんでした。
  山梨の鳥もつ煮と、福島のえごま豚は、心に残る味でした。また食べたいですね。ホルモン丼と焼きそばは、おいしいんだけれども、ジャンクフードの域ですね。それこそがまさに“B級”たるゆえんでしょうが。




  お腹がいっぱいになったところで、フリマ会場を後にして、プラレール博に向かいました。会場前は、渋谷ヒカリエ並みの大行列ができていて驚きました。さすがに後に引けず、最後尾に並ぶことにしました。思いのほか、すいすいと進み、30分もたたないで、入場することができました。




  入場者にはドクター・イエローの中間車両1両か、京成スカイライナー(会場が千葉だから?)の中間車両1両がプレゼントされるのですが、私はどちらにするか悩みました。もしかすると、2月にドルのロングを何枚積むかぐらい悩んだと思います。
  周りのちびっ子たちは、どうしたのでしょうかね? 本当は京成スカイライナーが欲しかったのですが、悩みぬいた末、ドクター・イエローを見ると、幸運になれるというジンクスを信じ(ちなみに私は一度だけ東京駅に停車中のをみたことがあります)、ケチな考えから、黄色い車両を選択しました。


  周りは子連れだらけでしたが、発売初期のプラレールなんかも展示してあって、大人も楽しめる内容でした。プラレールなんてまともに観賞するのは、何十年ぶりでしょうか。




  圧巻なのは、巨大レイアウトですね。広々としたスペースに、最新鋭の新幹線から、各種特急電車、通勤電車、SLまでいろんな車両が伸び伸びと走っていて、いつまでも見ていて飽きません。




  子供の頃は、0系新幹線とモノレールのセットとか、名鉄パノラマカーとか、京成スカイライナー(旧型)とか、寝台特急とか、D51のとか持ってましたけどね。隣の子と競争させたり、機関車同士を正面からぶつかり合わせて、相撲を取ったりしました。
  今でも男の子はプラレール、女の子はリカちゃんなんでしょうかね。タカラトミーは少子化の影響なんかを予想して、子どもに強い会社同士合併したのでしょうか?
  最近は、ご当地プラレールみたいなのがあって、都営地下鉄とか、江ノ電とか、全国の鉄道会社、東京でも小田急、京王など私鉄なんかの車両のものがいろいろと出されていて、面白そうですね。


  より精巧にできているプラレール・アドバンスなんていうのもあって、歴代の新幹線とか、最新のはやぶさとか集めてみたいなとちょっと思ってしまいました。




  プラレール博会場は元気いっぱいの子供たちばかりで、ぶつからないように歩かなければならず、こちらがはしゃぐわけにもいかず、とても気を使いましたが、こちらも元気をもらえ、懐かしい気分になり、心も癒され、とても楽しい一日でした。