中学とか高校の修学旅行とか、泊まりがけの校外活動で、クラスメート同士やなんかで、賭け事をする経験がある人は多いのではないでしょうか? ポーカーとか、おいちょカブとか、大貧民とか、花札とか、いろいろなゲームがあるかとは思いますが、勝負をしているうちにエスカレートして、とんでもない額の借金を背負う奴がいますよね。
私の経験では、中学の時の修学旅行でおいちょカブをやっていて(私は負けるといやなので参加しませんでしたが)、1000万円の借金を背負った、お馬鹿さんがいます。
最初は、数百円とか数千円をとったり取られたりで、リアルな数字なんですが、数万円とかになるとちょっと嫌な数字になってきて、負けを取り返そうとしてついつい熱くなってしまう。勝負の世界って往々にしてそうなんですが、負ける奴ってスパイラルにはまると、加速度的に借金を積み重ねるんですよね。
数万円の負けが、そのうち、数十万円になって、「おまえ高校生になったらアルバイトして返せよ!」みたいな話になる。そうなると、さらにさらに何とかしたいという気持ちが強くなって、大勝負に出てしまう。
100万円超えると大体アウトですよね。負けている方はやけくそだから、無謀な勝負を繰り返すし、勝ってる方も、もはや何が何だか分からなくなってしまいます。結局は、現実離れした数字に膨らんでしまい、債権、債務は履行されなくなります。
その代わり、負けた奴はそれ以降、馬鹿にされ続けるし、中高生のことなので、後腐れなくちゃらにするなんてことはあり得なくて、卒業までそれがついて回るので、陰湿ないじめを受け続けることになります。
いじめる方もほどほどにしてやればいいとは思いますが、やはり、負ける方は自己管理をしっかりするべきでしょうね。負ける勝負はしない。余計なことにカネは出さない。これが鉄則です。トレードの世界もそうです。
マネー・ヘッタ・チャンのブログの最新記事「ほらふきダンディズム」(http://donicchi.jp.msn.com/bookreview/article.aspx?cp-documentid=5455535)は、なかなか考えさせられます。猿岩石の有吉弘之さんは、日本テレビの番組の企画で、ヒッチハイクでユーラシア大陸を横断し、一時、華々しくブレイクしたのですが、世間の懸念(期待?)通りに「一発屋」で終わってしまい、その後、不遇の時期が続いたわけですが、数年前から毒舌キャラで再び波に乗り、今ではバラエティ番組の常連にのし上がりました。
有吉さんのすごいところは、当初から「自分は一発屋だ」と自己分析ができていたことですね。だから、無駄金を使わず、テレビから干されても、貯金で食いつないで、生き延びることができた。
もし、派手にカネを使っていれば、今の復活はなかったでしょう。どこかで、身の破滅につながるような状況に陥り、最悪、犯罪に走ったり、生命の危機に遭ったかもしれません。
「入った金は出すな」。有吉さんが強調する鉄則は、至言ですね。私たちも肝に銘じるべきです。「利食い千人力」なのです。勝ちを積み重ねるのは至難なので、一回勝ったら、ちょっと間を置いてみる。やばそうなら深追いはしない。こうしたことを励行したいものです。
最近の相場は、下げれば戻すので、だれもが二匹目のドジョウを狙って、中途半端な価格で買ってきますが、これが一番怖い。また、端で傍観している者にとってもうっとおしいことこの上ない。下げるべきところで買って邪魔をする。上げるべきところで安値を叩く。国内機関投資家や個人投資家がやってしまいがちな誤りなのですが、こういうのは徹底して無視するのが無難です。
借金といえば、国レベルでどうしようもない連中がいますね。借金で借金を返そうとして、もうどうしようもない状況に陥っているのに、まだ、さらに金融ばくちで取り戻せると考えている馬鹿がいる。どこの国かもうおわかりですよね。
まあ、まだ過去の栄光もあるし、軍事で暴走しかねないので、みんな怖くて声を掛けられないのですが、もうすでにゲーム・オーバーです。私たちも貸した(勝った)金を払ってもらおうなんて、とても望めない。中学生がおいちょカブで負けて1000万円の借金を背負ったようなもんですから。
でも、いつまでも楽しい修学旅行が続くわけではありません。イベントが終われば、世界各国から白い目で見られ、「嫌われ者」「いじめられっ子」として扱われるのがオチでしょう。自己管理ができない人間の末路とはそんなものです。