この一週間の金融市場の動きを見て、完全に行き詰った感があります。インチキで成り立っていた相場なので、早晩、崩れるのは当たり前のことですが、ここまでだましだましやってきたので、しばらく堅調さが続くと錯覚してしまいます。
クリスマスまであと1週間。これまで値崩れしてもゾンビのようにしつこくよみがえってきたので、日経平均8500円、NYダウ12000ドル回復と、最後のひと吹きがある可能性もありますが、そろそろ来るべき時が来たのかなぁと思ってみています。
潮目が変わったなと感じたのは、月曜日(12日)の値動きですかね。先週末の欧州金融問題に関する、欧州連合や欧州中央銀行などの会合をやり過ごして上昇しました。11月以来、上値(8700~8800)に未練を残しながら下落してきたので、そのまま上抜けして、8700台、8800台を目指しても、おかしくはないなと考えられましたし、8660でしつこく買うので、もしかしたら米国時間に動かすのかなと思ってみていました。
個人的には、先週金曜日の夜、上昇したのについていけず(飲み会があったので関わることができず)、吹き値売りを狙っていたので、もうひと伸びほしいところでしたが、8670をつけた後は、ずるずると後退。この時点で、すでにほぼ決着がついたような感じではありましたが、下がったところでしつこく買うので、気持ち良い下落とはならず、8500を防衛するような動きもあり、やりにくい展開でした。
週末の8400の攻防もそうでしたね。クリスマスにかけて何か仕掛けるならば、ここで打って出てもよかったような気がします。シカゴ終値が8375なので、下値を確認して反転する可能性もなきにしもあらずですが、ムーディーズがベルギーの格下げなんかを行った以上は、よほどのインパクトのある材料が出ない限りは、上昇は難しいと考えています。
この1、2年は米国の金融緩和をはじめ、無理やり政策介入で株価を粉飾している状態なので、経済の実態と株価は相当乖離していると考えるのが自然でしょう。これだけ膨大な額の介入をしたにもかかわらず、大した効果もなく、いずれ綻びが表面化するのは不可避です。
ギリシャだのイタリアだの言っても、まだ、多くの市場参加者の意識が新たな政策期待なんかもあって上目線なので、なかなか下落しないですが、相場を上昇させる力などあるわけもなく、じりじりと下げた後、いずれパニック的な売りにつながると思われます。
ドル・円なんかもそうですよね。10月末に異例の巨額ドル買い介入をして、さすがに日銀の顔を立てて、ドルは“高値安定”していますが、オセアニア時間に記録した最安値からわずか3円弱上昇したにすぎません。
欧州問題もあって、世界的に資金がドル、米国株に向かっている事情もあって、ドルもダウも高値安定していますが、欧州よりもひどい状態にある米国の実体経済を考えると、崩壊するのは時間の問題でしょうね。
一見、世界の金融市場は、爆弾を抱えながらも、安定したような動きを見せていますが、そろそろやばいよ、という状況になりつつあります。
このまますなおに暴落するのが一番ですが、気を付けなければならないのは、新たな政策介入ですね。今回の元凶はドイツにもあるので、もっとババをつかまされ、ドイツ経済が壊滅に追い込まれるべきだと思いますが、国債買い入れを行うとアホ女が表明すれば一時的にでも、株価は急騰するでしょう。日経も9000円手前まで行く可能性があります。
また、イラン情勢ですね。いよいよ金融問題で行き詰った時には、いろいろと難癖をつけてイランと戦争に突入することでしょう。そうなった場合、ドル、株価がどういう動きをするのか? ちょっと読めない部分もありますが、売り一辺倒にもなれません。
今まで以上に、得体のしれない値動きになる可能性があるので、心して臨む必要があります。