石油価格上昇コストの「公平」な負担とは(小峰隆夫のワンクラス上の日本経済論)
中東の政治情勢が緊迫する中で、石油価格が上昇している。石油価格の国際指標であるニューヨークWTI(West Texas Intermediate)の先物価格は、3月2日にはバレル当たり100ドルを越えた。2年4カ月ぶりの高値である。今後、史上最高値(147ドル)に達するという見通しもある。日本は原油輸入の87%を中東に依存している(2010年)だけにその影響も甚大である。
石油価格の上昇は日本経済にとってのマイナス要因であることは間違いない。これは経済的には「交易条件が悪化することによって、日本経済に悪影響が現われる」ということである。交易条件というのは、輸出価格と輸入価格の比率(輸入価格が分母)である。