相場に巣くう面々

  先物界に久しぶりに復帰して、トレーダーの人たちの考え方や傾向を分析するため、先物ブログ・ランキングの上位にあるブログをよくチェックしますが、ひどい内容のものが多いですね。法律に抵触するものや、明らかに犯罪行為のものまであります。
  ゴールド・ラッシュに沸いたかつての米国で、一番設けたのは誰か? 金採掘のためのスコップなどの道具を売る業者や、作業着とかジーンズのメーカーだったそうです。
  先物相場でも、一番ボロ儲けしているのは、売買サイン配信業者や、トレードシステムなど商材販売屋さん、トレーダー養成スクールみたいな人たちといった面々であろうことは容易に推察します。
  もちろん、天性の勘で、見事なトレードをし、素晴らしい成績を挙げておられる(だろう)方もいらっしゃいますが、多分、きわめて少数でしょう。3、4年前なら、玉石混交で、それなりに読ませる内容、魅せる内容のブログもあったんですけどね。
  最近見つけて、ひどいなと思ったのは、トレーダー養成スクールで、受講料が100万円。テクニカル分析について基礎を教えてくれるらしいですけど、そんなものに大金を投入する気が知れない。まあ、初心者の人なら、「一人前のトレーダーになりたい」という志を持って、そういうスクールの門をたたいてしまう気持ちは分からないでもないですが。
  長年、先物や相場に携わっていると、ブログの文面から大体、優れているものと、そうでないものは見分けがつきます。皆さんも詐欺ブログは大体想像がつくでしょう。そうしたものに対しては、取引結果の開示を求めたり、金融庁に通報するなどして、是非、排除しましょう。でないと、健全なトレーダーが育たなくなる。
  100万円あるなら、2~3万円出せば、書籍で一通りの経済、テクニカルの知識は身に付けることができると思いますし、あとは経験だと思います。ミニ数枚からスタートして、授業料を払う(ロス・カットする)ことで、実地の訓練を積み重ねるのがいいと思います。勉強も大事ですが、実戦経験の数だけ学ぶことはおおいですからね。
  しかし、テクニカル分析など、何をやるのでしょうかね。波動や基本的なチャートパターン、値幅計算くらいなら知っておいた方がいいと思いますが、移動平均線とかオシレーターなど今の相場状況でとても役に立つとは思えません。もし、私なら10万円もくれれば、それなりのことは教えられますが・・・(結果は保証しかねます、笑)。
  それと統計データを利用した、売買サイン・トレードはほとんどダメでしょうね。安易な手法に頼るトレーダーから資金を根こそぎ奪おうとする輩(大手の金融機関の人たち)は、たくさんいます。値幅はそれほど大きくなくても、日中に不規則に上下するパターンは多く、ロス・カットに引っ掛かったり、わざと、踏み上げや投げを誘うための動きをする意図的な価格操作もあるので要注意です。
  雇用統計前の夕方の動きなど典型ですが、板を操りながら、どうやって個人投資家を嵌めるか、たくらんでいるような動きをするので、生半可な手法では稼げません。
  逆にすごいなと感心したのは、日中足(5分足)に絞って、システム・トレードを構築している方で、それなりの成果も出ているのですが、確率に頼る他力本願的なスタイルは、私は好きではないです。
  先物ブログ・ランキングの上位のブログは、この4~5年ほとんど顔触れが変わらないですね。これだけ相場の動きが変わっているにもかかわらずです。要は何の進歩もしていないということ。そんな連中が跋扈しているのが先物界です。
  私自身、先物のつまらない動きに嫌気が差して、しばらく、遠ざかっていましたが、同じようなことを感じたり、急激な相場変動で、ロスを余儀なくされて、相場から去った人も少なくないのでしょうね。5年ほど前と比べると、先物人口そのものが激減しているような気がします。