2011年7月15日のマーケット予想

株:NYダウ反落
14日の米株式市場は、週間新規失業保険申請件数が40.5万件、6月小売売上高が+0.1%と市場予想を上回る良好な内容だったことを好感し、上昇して始まった。しかし、バーナンキFRB議長が上院で行われた議会証言で、景気が悪化すれば追加措置を講じる用意があると改めて表明したものの、現時点ではさらなる金融緩和に踏み切るつもりはないと発言し、追加金融緩和に対する期待感が後退したことから下落に転じ、反落して引けた。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比54.49ドル安の12,437.12ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が下落しており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が9,920円となっており、市場の予想レンジとしては9,850円−10,000円となっている。

為替:ドルの買い戻し
14日の外国為替市場では、バーナンキFRB議長の議会証言を受けて、QE3への期待感が後退したことから、前日下落したドルが買い戻される展開となった。NY終値ベースで、ドル円は79円近辺、ユーロドルは1.41ドル台半ばとなっている。
本日は、6月米消費者物価指数(予想:前月比-0.1%)、7月NY州製造業景況指数(予想:4.50)、7月ミシガン大消費者信頼感指数(予想:72.5)など、米国で注目の集まる経済指標の発表が予定されている。また、欧州では、欧州銀行を対象としたストレステストの結果が公表される予定となっている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては78.00−79.50円となっている。

商品:NY金史上最高値更新
14日のNY原油先物取引は、追加金融緩和第3弾への期待感が後退したことや、為替市場でドル高が進行したことなどが嫌気され、反落した。中心限月の8月限の終値は、前営業日比2.36ドル安の1バレル95.69ドルで引けた。
一方、NY金先物取引では、為替市場のドル高やこのところの上昇を受けた利食い売りなどが優勢となり、一時マイナス圏に沈む場面もあったものの、欧州圏の債務問題に対する懸念や、格付け会社が米国債の格付けを引き下げ方向で見直すと発表したことを受けて、安全資産としての金が買いを集め、8日続伸となった。中心限月の8月限の終値は、前営業日比3.80ドル高の1オンス1,589.30ドルで引けた。