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3月16日のポイント

  ドル・円がちょっと嫌な動きを見せますね。84円台は達成感がでてもおかしくないので要警戒です。先物は10100をどのタイミングで抜けるかですね。
  そろそろ、大きな動きがほしいところですが、もったいぶった動きです。アジア時間に嫌がらせをするのはいい加減にしてほしいですがね。本当に欧米人は役に立ちません。

帝国の没落

  このところ堅調に推移していますけど、それでも、金融市場を日々ウォッチしていると、昨年来、米国の株式市場をはじめ、世界の金融市場は、訳の分からない動きを続けています。私たちの身近な日経平均、ドル・円、ユーロ・円をはじめ、欧州株や欧州危機の影響をそれなりに受ける中国株に至るまで、ちょっとした材料で一喜一憂し、迷走状態です。
  私なんか特にそうですけど、トレーダーは基本的には短気な人が多いし、相場のわずかな変化や動きに乗らないと利益を上げられないので、意味のない動きをする時間帯が長いと、本当にストレスがたまりますね。丹念に値動きや売買動向を追って相場を読み解いていく必要があるのですが、その一方で、あまりのめり込むと、冗談抜きで精神を病んでしまう恐れがあるので適度な距離感が必要です。
  現在は、長らく世界をしてきた、欧米が衰退し、没落する真っ只中にあります。単に株が上がっただの下がっただのという、せこいレベルで物を見ていると大局を見失います。今、注目が集まっている消費税や、年金、福祉、健康保険をどうするかといった問題や政局も同様、従来の延長では対処できない状況なので、なるようになる(欧米が堕ちるところまで堕ちる)のを待ち、そこからスタートしないと、何事も始まらないのです。
  家が火事に遭い、まだ火が燃え盛っていて、隣近所にも迷惑をかける恐れがあるのに、新しい家をどうするかという話をしているようなもので、鎮火し、すべての状況が明らかになるまでは、具体的な行動を起こすべきではないでしょう。もちろんある程度の想定はしておいて、いざ行動を起こすべき段階になったら、迅速に動けるように心構え、準備をしておくことは大切ですが。
  いつも言っているように、現在の段階は欧米が没落に向かってはいるのですが、悪あがきをしているので、ちょっとした乱気流が起きているような状態です。大きな流れは変わらないのですが、生存本能が残っていて最後の命の火をともしているような状態です。
  そりゃ、欧州は500年、米国は100年も世界を支配してきたのです。覇権を握ることのうまみや利権の上に乗っかっており、そうやすやすとは覇権を手放すことはしたくないでしょう。また、豊かさボケで、自分たちが没落の途上にあるとは認識できていないし、認識したとしても簡単には事実を認めたがらないという面もあるでしょうね。
  NYダウは米国の財政破たん懸念から、昨年8~10月にかけて10500ドル近辺まで下げ、そこから13000ドル手前まで上昇しました。上昇幅は実に2500ポイント。
  翻って日経平均を見ると、ダウと連動する形で、8100円あたりまで下落し、一応反転はしましたが、反発の勢いは弱く、9000円台にちょっと戻すのがせいぜいです。底値からは900ポイント上げたにすぎません。
  一方、ドルは為替介入が入るので面倒なのですが、基本的には軟調(円高)に推移し、7月の80円台から、76~77円台で滞留する時間が長く続き、5%ほどの円高が続いているでしょうか。
  円高を加味しても、ダウの異常な高さと、日経平均の低迷が際立ちます。日経平均だけでなく欧州、中国なんかも概して株価指数は底ばう時間が長かったので、金融緩和とそれに伴う通貨切り下げで、不当に米国が株価を吊り上げている構図がありありとうかがえますね。
  ダウの水準からして、私は日経平均はすんなり、9000円、9500円、あるいは1万円の水準を回復できるのかとちょっとだけ期待しましたが、なかなか動いてくれませんでした。政策対応の力を借りてようやく動いたという感じで、インチキがなければ成り立っていない相場です。
  米国株だけ突出して高いという状況は、リーマン・ショック前もありました、ダウの上昇に比して、日経平均、欧州各国株の出遅れが目立つ局面は随所で見られました。
  ただ、そんなときでも、最終的にはある程度は、日本、欧州は出遅れを取り戻し、米国株が伸びきったところで、追い上げましたが、もはやそういう状況は望めないようです。
  まさに“パクス・アメリカーナ”の終焉と言えるでしょうね。いままでは、米国が豊かになれば、日本、欧州もおこぼれにあずかれるという「ウイン・ウイン」の関係でいられましたが、もはやなりふり構っていられないということでしょう。ついこの間まで米国が世界経済をけん引しているということを株価から実感できたのですが、もはやけん引する力がなくなったということです。株価の連動性が薄れたことが何よりも、厳しい現実を物語っています。
  むしろ米国は自らが生き延びることに汲々としており、他国を蹴落とすことなど、いとわないでしょうね。金融緩和や通貨安で他国に迷惑を掛けたり、借金を踏み倒したりと、今後も手段を選ばず、何でもやってくるでしょう。
  だから、いずれ大きな崩壊が訪れるでしょう。とはいうものの、いつまで米国株が高い水準を維持するのか、見通せず、長丁場も覚悟しなければなりません。一つ言えるのは、いつまでもこのような状態を続けるのは不可能でしょうから早かれ遅かれ、大きなツケを払わなければならない時が来ます。我慢強く待つしかありません。
  米国の国家破綻に乗じて、あるいは蹴落として、生き残る準備を今から、しっかりしておく必要があります。テンションや根気を維持するのはなかなか大変ですが、信じて待つしかありません。

3月15日のポイント

  とりあえず、先物も1万円抜け。昨日、一昨日は高く始まって安値引けした形が続きましたが、時間稼ぎや、ちょいとした値幅調整、先週のメジャーSQの後始末的な動きとしか説明がつきません。
  フィボナッチヲタみたいな人は9800まで落ちた理由をいろいろと説明するんでしょうけど、この動きははっきり言って意味があるようでないんですよね。
  このレベルで、フィボナッチのポイントを意識しているとしたら、上値はたかだか知れています。これは断言します。フィボナッチが効かないということは、とことん上昇、あるいは下落するしかない局面です。
  理論上11500まで行けると思っています。ひそかにさらにその上を行くのではないかと。ドル・円をクロスチェックしながらでしょうね。
  日経先物もドル・円もやることがないんですよね。もはや。いったん分かりやすいところまで下げて時間、値幅調整するなら、買い増ししようかなという気がしますが、取りつく島もない動きです。
  もう一度繰り返しますが、上げるところまで上げないと収拾がつきません。こんなところでテクニカル的な動きをしていたら先は知れていますが、下にしがらみをつくりつつも、力強い上昇をしています。今までとは違う局面であることは間違いないと思います。だから9000円手前で、「ショートかけましたがどうでしょう」「何でしつこく買われるのか分かりません」みたいなアホなメッセージを寄せられたときは、本当に嫌になりました。
  今後はドル・円の動きをにらみながら、6月限、9月限、さらには12月限といったところでどう動かすか、タイムスパンを考えながら、どこまで行くかというところを見極めていきたいところです。

これからの経済

  楽して稼ごう、労力を少なくして大きな成果を得ようと、あらゆる人が努力を重ねた結果、世界的に過剰生産と価格下落が止まらず、ものがあふれるようになってしまいました。自動車にせよテレビにせよ、世界的にはまだまだ需要は伸びるし、それに合わせて生産も拡大しないといけないのですが、利益率はどんどん低下し、しかも競争のストレス、特許や欠陥商品など訴訟リスクなどにさらされ、製造業は割に合わない商売になりつつあります。
  何より、かつては人海戦術でものづくりをしていたのが、生産の効率化が進み、どんどん雇う人数が減っており、工場は“無人化”(さすがにこれは極端なのですが)する方向に進んでいます。モノが動けば雇用が生まれ、さらにそれがモノに対する需要を呼ぶという、波及効果があると考えられているのですが、今では、かつてほどの大きな効果は見込めなくなっています。
  製造業だけでなく、農業もそうで、「農地不足」だの「農業用水の枯渇」だの「人口爆発」などがクローズアップされ、飢餓の時代が来るみたいなことが叫ばれる割には、まだ深刻な事態には至っていません。もちろん地域によっては文字通り「手から口へ」のような深刻な状況にあることは事実ですが、少なくとも、先進国や中国を含め成長著しい新興国で、貧富や格差問題はあるにしても、全体を見渡して食料が極端に足りないという事態は起きていないし、むしろ飽食が続いています。
  警戒すべきは、自分たちの存在を暗に誇示するためにするために、やたらと食料不足、不安をあおりたてる輩がいることですね。金融資本への従属化や遺伝子操作で、農業をどんどん陳腐化させている連中です。味覚音痴で、食に対するセンスのない連中が世界の食料需給を握り、歪んだ状況をつくりだしているので、食料に対して過度に楽観することは禁物でしょう。
  ただ、全体的に農業、畜産についても、驚くべきスピードで効率化されており、そしてさらにその余地はありますし、水産業も日本が得意な分野ですが、養殖技術なんかは目を見張るものがあります。
  人間、持てるものは限られているし、まだまだ空腹を抱える人は多いですが、胃袋の容量にも限界があります。今はまだ人口が急速に増えている状況ですが、急速な経済発展により、ある時点でブレーキがかかることも考えられます。
  まだまだ中国、インドが高い経済成長を維持し、さらに中南米やアフリカも続こうかという状況で、世界的に右肩上がりの時代は今後10年、20年と続くことになりそうですが、単に工場を増やしたり、食料生産を増やしたりすることだけでは、生活水準を上げることにはなるでしょうが、広い範囲で豊かさを向上させたり、維持することにつなげるのは難しくなっています。
  単に工場を誘致するとか、土木工事で農地を整備し、農業生産を支援するという、従来の発想では立ちいかなくなりつつあります。
  大量生産、大量消費に応えることや、グローバル展開が、経済発展につながると考えられていましたが、必ずしも、それだけでは十分でないことがはっきりしつつあります。利益の出る事業には多くの企業が参入し、群がるので、すぐに利幅が薄くなってしまいます。しかもその薄い利幅を金融資本や、一部の企業エリートが吸い上げてしまうのですから、下々へ回るお金は減ってしまいます。何より企業や事業の寿命がどんどん短くなっています。
  どうしてもグローバル展開する企業とか、ハイテク企業に脚光が当たり、そうした企業に投資が集中したり、そうした企業を誘致することにばかり目線が行ってしまうのですが、考え直すべき時でしょうね。どんな立派な企業だって一瞬先は闇かもしれないのです。
  地味だけれども、根強いニーズがある分野とか、ユニークな技術、サービスで他の追随を許さないとか、丹念に追っていくと、意外な発見があります。大量生産、大量消費はいずれ飽和点に達するだろうし、そうなると、地域や個々人のきめ細かなニーズに合わせた経済活動、ビジネスが重要になってくるでしょう。
  日本をはじめ先進国はすでにその段階に達しているにもかかわらず、相変らず、利幅が薄くなる一方、リスクも大きくなりつつある「グローバル」にこだわりますが、もっと小さな範囲でのこだわりを大切にした方がいいでしょうね。
  ミクロのレベルで付加価値を探したり、あるいは高めたりして、売り出す方法を考えるのが、これからの時代の経済にマッチしているのではないでしょうか。

3月14日のポイント

  日銀金融政策会合後の値動きからして、金融緩和相場というのが良くわかります。こういうところの動きで、方向性が見えますね。下がってもしつこく買われるということは、基本は上目線ということです。あと問題は節目を抜けるタイミング。FOMC後、動くのか、それともどっちつかずの動きで、しばらくレンジで推移するのか、一つのポイントですね。