2011年11月17日のマーケット予想

株:NYダウ反落
16日の米株式市場は、前日に引き続き、イタリアの10年債利回りが7%の水準を維持するなど、欧州債務危機に対する根強い懸念から、金融株を中心に売りが優勢となった。さらに、引け間際に、格付け会社フィッチがユーロ圏の債務危機が早期に解決されなければ、米銀行セクターが悪化する恐れがあるとの見解を示すと、株価は一段安となり、ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比190.57ドル安の11,905.59ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が下落しており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が8,390円となっており、市場の予想レンジとしては8,300円−8,450円となっている。

為替:ユーロが下落
16日の外国為替市場では、前日に引き続き、イタリアの10年債利回りが7%の水準を維持するなど、欧州各国の国債利回りが上昇基調にある中で、欧州圏の債務危機に対する懸念の高まりから、ユーロが下落する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は77円台前半、ユーロドルは1.34ドル台半ばとなっている。
本日は、スペインで国債の入札が予定されており、市場の注目が集まっている。経済指標の発表では、英10月小売売上高(予想:前月比-0.1%)、米10月住宅着工件数(予想:61.0万戸)、11月フィラデルフィア地区連銀景況指数(予想:7.0)などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては76.50−77.50円となっている。
 
商品:NY原油続伸
16日のNY原油先物取引は、EIAの週間在庫統計で、原油在庫が前週比110万バレルの減少となったことに加えて、カナダのパイプライン運営大手エンブリッジが、米国産標準油種WTIの受け渡し地点であるオクラホマ州クッシングからメキシコ湾岸の製油所に向けて原油を輸送すると発表したことを受けて、クッシング集積所の余剰在庫が減少するとの思惑が浮上したことなどを背景に買いが膨らみ、大幅続伸となった。中心限月の12月限の終値は、前営業日比1.23ドル高の1バレル99.37ドルで引けた。
一方、NY金先物取引では、米国の消費者物価指数が低下し、インフレ懸念が後退したことや、為替市場でドル高・ユーロ安が進行したことなどが嫌気され、反落となった。中心限月の12月限の終値は、前営業日比7.90ドル安の1オンス1,774.30ドルで引けた。