2011年3月29日のマーケット予想

株:NYダウ反落
28日の米株式市場は、同日発表された米2月個人消費支出が前月比+0.7%と市場予想を上回ったこと、電子商取引大手イーベイが大型のM&Aを行うとの報道を受けて、上昇して始まった。しかし、日本の原発事故や中東・アフリカ情勢に対する先行き懸念がくすぶる中で、引けにかけて小安くなり、反落して引けた。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比22.71ドル安の12,197.88ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が下落していること、福島原発事故への懸念が強まっており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は9,355円となっており、市場の予想レンジとしては9,250円−9,500円となっている。

為替:ドルが上昇
28日の外国為替市場では、米2年債利回りが0.77%と先週から大幅に上昇していることを受けて、ドルが上昇する展開となった。ただ、米国時間に入り、トリシェECB総裁がユーロ圏のインフレはECBの目標水準を上回っていると発言し、ユーロ圏の利上げ観測がいっそう強まったことから、ユーロは値を戻し、NY終値ベースで、ドル円は81円台後半、ユーロドルは1.40ドル台後半となっている。
本日は、米1月S&Pケース・シラー住宅価格指数(予想:前月比-0.4%)、米3月消費者信頼感指数(予想:65.0)などの経済指標の発表に加えて、米5年債の入札などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.80−82.00円となっている。
 
商品:NY原油続落
28日のNY原油先物取引は、リビアの反政府勢力が石油輸出拠点を制圧したとの報道を受けて、リビアの石油供給の再開が早まるのではないかとの見方が広がり、供給ひっ迫懸念が後退し、売りが優勢となった。中心限月の5月限の終値は、前日比1.42ドル安の1バレル103.98ドルで引けた。
NY金先物取引では、為替市場でドルが円やユーロなどに対して堅調な動きとなったこと、原油価格が下落したことなどを背景に、利食い売りが優勢となり、3日続落となった。中心限月の4月限の終値は、前営業日比6.30ドル安の1オンス1,419.90ドルで引けた。