株:NYダウ反落
4日の米株式市場は、同日発表された米2月雇用統計において、失業率が8.9%、非農業部門雇用者数が+19.2万人となり、前月から改善したことを受けて上昇して始まったものの、その後は、中東、アフリカ情勢の混乱が深刻化する中で、地政学的リスクが高まっていること、原油価格が大幅上昇したことなどが嫌気され、反落して引けた。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比88.32ドル安の12,169.88ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が下落していることなどから、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は10,640円となっており、市場の予想レンジとしては10,600円−10,750円となっている。
為替:ユーロが上昇
4日の外国為替市場では、3日トリシェ総裁の記者会見で、4月に利上げを行う可能性を示唆したことが引き続き取引材料となり、一時、ユーロドルが節目の1.40ドルを付けるなど、ユーロが上昇する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は82円台半ば、ユーロドルは1.39ドル台後半となっている。
本日は、主要な経済指標の発表はないものの、トリシェECB総裁が講演を行う予定となっており、その動向に注目が集まっている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては82.00−82.80円となっている。
商品:NY金反発
4日のNY原油先物取引は、リビアでガダフィ大佐の部隊と反政府派が衝突し、石油輸出の要衝ブレガでも政府軍の攻撃があったとの報道を受けて、需給ひっ迫懸念が拡大したこと、為替市場でドル安・ユーロ高が進行したことなどを追い風に大幅反発した。中心限月の4月限の終値は、前日比2.51ドル高の1バレル104.42ドルで引けた。
NY金先物取引でも、中東・アフリカ情勢をめぐる混乱やNY原油が大幅反発したことで、インフレヘッジ目的の買いも膨らみ、反発して引けた。中心限月の4月限の終値は、前営業日比12.20ドル高の1オンス1,428.60ドルで引けた。