株:NYダウ反発
27日の米株式市場は、ギリシャの債務問題について、サルコジ仏大統領が民間保有のギリシャ国債を30年債へ乗り換えてもらう案を金融機関などに提示したことやギリシャ政府が提出した緊縮財政案が議会で可決されるのではないかとの見方が強まる中で、過度の悲観論が後退した。さらに、25日に国際決済銀行バーゼル銀行監督委員会が合意したシステム上重要な銀行に対する新たな銀行自己資本規制が、予想ほど厳しい内容にならなかったことなどを受けて、銀行株などを中心に買いが入り、反発して引けた。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比108.98ドル高の12,043.56ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が反発し、為替市場でも円高基調が一服しており、株式市場にとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が9,665円となっており、市場の予想レンジとしては9,550円−9,700円となっている。
為替:ユーロが上昇
27日の外国為替市場では、ギリシャの債務問題をめぐって、ギリシャ議会が緊縮財政案を可決するのではないかとの見方が広がる中で、ユーロが上昇する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は80円台後半、ユーロドルは1.42ドル台後半となっている。
本日は、4月S&Pケース・シラー住宅価格指数(予想:前月比+0.3%)などの経済指標の発表が予定されている。また、引き続き、欧州の債務問題に注目が集まっており、その動向に注意する必要がある。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.30−81.30円となっている。
商品:NY金1,500ドル割れ
27日のNY原油先物取引は、温家宝中国首相が、今年の消費者物価指数を約4%に抑えるという目標の達成は困難だと述べ、中国で追加利上げ観測が浮上したことや、米国の経済指標が低調な結果だったことなどが嫌気され、反落して引けた。中心限月の8月限の終値は、前営業日比0.55ドル安の1バレル90.61ドルで引けた。
NY金先物取引では、ギリシャの債務問題をめぐって、28日に予定している緊縮財政案が可決されるだろうとの見方が強まったことなどを受けて、安全資産としての金買いが後退し、続落して引けた。中心限月の8月限の終値は、前営業日比4.50ドル安の1オンス1,496.40ドルで引けた。