2011年9月15日のマーケット予想

株:NYダウ続伸
14日の米株式市場は、8月米小売売上高が横ばいにとどまったことなどが嫌気され、NYダウは一時前日比112ドル安を記録した。しかし、午後に入り、独メルケル首相、仏サルコジ大統領、ギリシャパパンドレウ首相による首脳会談後の声明で、ギリシャに対して金融改革を厳格かつ効果的に実施するよう要請する一方、同国のユーロ圏離脱観測を否定したことや、イタリアで総額540億ユーロの緊縮財政計画が議会を通過したことで、ユーロ圏の債務危機の不安が和らぎ、買い安心感が広がる展開となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比140.88ドル高の11,246.73ドルで引けた。
本日の東京市場では、欧州株式市場が反発しており、株式市場にとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が8,575円となっており、市場の予想レンジとしては8,500円−8,650円となっている。
 
為替:ユーロが上昇
14日の外国為替市場では、ギリシャ、ドイツ、フランスの首脳が電話会談後に、ギリシャのユーロ圏離脱観測を否定したことや、欧州委員会のバローゾ委員長がユーロ圏共同債の導入に関する選択肢を近く提出することを明らかにしたことなどを受けて、ユーロが買われる展開となり、NY終値ベースで、ドル円は76円台後半、ユーロドルは1.37ドル台半ばとなっている。
本日は、スイス国立銀行金融政策(政策金利)発表、米8月消費者物価指数(予想:前月比+0.2%)、9月フィラデルフィア地区連銀景況指数(予想:-14.5)などの経済指標の発表が予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては76.30−77.20円となっている。

商品:NY原油反落
14日のNY原油先物取引は、EIAの週間在庫統計で、原油在庫が前週比670万バレル減と市場予想を上回る取り崩しとなったものの、ガソリン在庫が減少予想に対して190万バレル増、ディスティレートも170万バレル増加したことや、米小売売上高が低調だったことなどが嫌気され、3日ぶりに反落した。中心限月の10月限の終値は、前営業日比1.30ドル安の1バレル88.91ドルで引けた。
NY金先物取引では、欧州債務危機に対する懸念が和らいだことや、堅調な株式相場などを眺めて安全資産としての金に売り圧力が強まり、反落して引けた。中心限月の12月限の終値は、前営業日比3.60ドル安の1オンス1,826.50ドルで引けた。