2012年6月12日のマーケット予想

株:NYダウ反落
11日の米株式市場は、前週末にユーロ圏諸国がスペインの銀行資金増強に向けて、最大1000億ユーロの支援を行うことで合意したことを受けて、欧州圏の財政問題に対する懸念が後退したことを好感し、上昇して始まった。しかし、スペインの10年物国債利回りが6.5%台に上昇したことや、17日のギリシャ議会の再選挙を警戒する動きが強まる中で、いったんリスク資産を手放す動きが強まり、徐々に値を下げる展開となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比142.97ドル安の12,411.23ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が下落しており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が8465円となっており、株式市場の予想レンジは、8,400円−8,550円となっている。

為替:ユーロが下落
11日の外国為替市場では、ユーロ圏が最大1000億ユーロのスペイン銀行支援策で合意したことを好感し、ユーロドルが一時1.26ドル台半ばを付けるなど、ユーロが上昇した。しかし、スペイン銀行への融資が、スペインの債務拡大につながる可能性が指摘されたことや、ギリシャ議会の再選挙を警戒する動きが強まる中で、ユーロが下落する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は79円台前半、ユーロドルは1.24ドル台半ばとなっている。
本日も、前日同様取引材料に乏しい一日となっており、動きづらいとの声がある。本日のドル円の市場の予想レンジとしては79.00−79.60円となっている。

商品:NY原油続落
11日のNY原油先物取引は、中国の5月貿易統計で、原油輸入が過去最高を記録したことなどを好感し、上昇して始まった。しかし、その後は、週末に控えるギリシャ議会の再選挙への警戒感が広がるなど、欧州圏の債務問題に対する警戒感が広がったことや、サウジアラビアが14日のOPEC総会で、原油生産目標を引き上げる必要があるかもしれないとの認識を示したことなどが嫌気され、続落して引けた。中心限月の7月限の終値は、前営業日比1.40ドル安の1バレル82.70ドルで引けた。
一方、NY金先物取引では、ユーロ圏諸国がスペイン銀行救済で合意したにも関わらず、スペインの10年物国債利回りが高止まりしていることや、17日のギリシャ議会の再選挙への警戒感が広がる中で、安全資産とされる金に買いが入り、続伸して引けた。中心限月の8月限の終値は、前営業日比5.40ドル高の1オンス1,596.80ドルで引けた。