国民の信頼なくして増税なし(時事深層)
復興計画の検討が本格化すると同時に、復興財源を巡る議論も熱を帯びてきた。消費税率の引き上げか、所得・法人税の増税か、あるいは新税の創設か。いずれの増税策も、政府が国民の信頼を得られない限り、実行することはできない。
政府による復興計画の検討と同時に、復興に必要な財源を巡る議論も熱を帯びてきた。
内閣府の試算によると、東日本大震災の被害額は民間企業の設備や道路、港湾といったインフラだけで16兆〜25兆円。総額では30兆円以上に膨らむといった民間の試算もある。阪神・淡路大震災の時を上回る巨額の財源が必要になることは避けられない。
5月2日の成立を目指す2011年度第1次補正予算案では、基礎年金の国庫負担に充当するはずだった約2兆5000億円の転用や高速道路無料化の凍結などで計4兆153億円を捻出したものの、必要額にはまだ遠い。