開業初日



  本日、たまたま1日フリーになったので、開業初日の東京スカイツリータウンへ行ってきました。人混みとか、人の集まるところへ行くのは苦手な方なのですが、日本の歴史に1ページを刻む、新たな施設がいよいよオープンということで、めったにない機会でもあるので、ブームに乗っかることに決めました。
  投資を行うということは、世の中の動向に敏感でなければならなりません。重要なのは人の動きや嗜好、流行を丹念に観察することですね。何かしら未来へのヒントが見つかることでしょう。
  偉そうに上から目線に立って、やたらとブームに背を向ける人がいますが、みすみす判断材料を逃しているようなもので、投資家の姿勢としては失格でしょうね。人が何を考えているか、何を欲しているか、どう行動するかということは常に謙虚かつ丁寧にフォローすべきでしょう。






  スカイツリータウンの初日の来場者予想は20万人。渋谷ヒカリエのプレオープン、初日の来場者数も20万人なので、下町の一角に果たして、そんなに人が集まるのかなという気もしましたが、さすがにあれだけ連日報道されると、一度は行ってみたいなという気になりますよね。
  しかも、自立式電波塔としては世界一の高さを誇るタワーということで、そんじょそこらの施設とは意味合いが違います。




  正午前に押上に着いたのですが、東京メトロの改札口を出たところにすでに警備員が配置され、緊張感が高まったのですが、人混みはそれほどではありませんでした。
  ゴールデンウイーク中の渋谷ヒカリエの行列が強烈だったので、平日で天気も悪いし、こんなものなのかなぁとも思ったのですが、スカイツリータウンに入った瞬間、人でごった返しているのを見て、驚きました。
  しかも、時間がたつにつれて、人がどんどん増え、だんだんフロアで身動きがとりにくくなり、「スカイツリー人気恐るべし」と、認識を改めました。




  こればかりはめぐりあわせなので、仕方ないですけど、開業初日が土砂降りの雨というのは、ちょっと残念ですね。晴れていれば、スカイツリー周辺も散策したのですが、まとまった雨だったので、そんな余裕はありませんでした。
  竣工式の日も天気が悪かったらしく、マスコットキャラクターの「ソラカラちゃん」の雨女説は何となくうなずけます。






  スカイツリーの入場料は一番高いところまで行くと3000円もかかるそうで、予約で抽選に当たらないとチケットを入手できないので、特に上りたいとは思いませんでしたが、さすがに、いざ開業してみると、ちょっと登ってみたいなという気になりますね。
  ダフ屋さんでもいれば、開業初日ということで、ご祝儀で3万円くらいなら払ってもいいよなともつい思ってしまいますが、さすがにそういう輩はいませんね。




  商業施設を一通り見て回りましたが、フロアはとても広いですね。実は昨日、渋谷ヒカリエに初めて入ってきたんですけど、ヒカリエの商業施設部分がかなりせせっこましいのに対して、1フロアがおそらヒカリエの4、5倍の広さがあり、通路もゆとりがありました。
  ただ、開業初日ということで、人がかなり集まっていたので、一つ一つのフロア、店舗をゆっくり見て回るということはさすがにできませんでした。


  要は、渋谷ヒカリエがどちらかというと、コンセプト性を重視した商業施設であるのに対し、スカイツリータウンは、これまで風采が上がらなかった東武百貨店がイメージ刷新と、逆転反抗を狙った旗艦店をつくったということでしょう。そもそもの発想が違うのです。
  ただ、集めているショップを見ると、ヒカリエとあまり傾向は変わりませんね。20代、30代を意識しつつも、30代後半、40代あたりの購買力の高い層をターゲットにしていて、中価格帯で、品質、デザイン、ファッション性をうまくまとめ上げた、服やアクセサリー、小物、雑貨などを売る店が中心でした。










  全国の地酒を集めたお店や、塩の専門店、食品サンプルのショップ、ジャイアンストアにウルトラマングッズのショップと、ちょっとほかにはない変わり種のお店や、「観光地」を意識したお店もあり、渋谷や新宿、銀座などにある商業施設とは一線を画しています。
  いずれ再訪して、たんねんにお店を見てみたいと思いますが、この辺はスカイツリータウンの魅力である一方、観光客が一巡したときに、集客を下支えする力になるのか、それとも、飽きられてしまうのか、この辺は注意深くみておく必要がありますね。




  グルメ街に、つけ麺界の横綱、あの「六厘舎」があったのでびっくりしました。しかも、お昼時ということもあり、大行列ができました。
  六厘舎は東京駅八重洲口地下のラーメンストリートが実質的な本店で、お台場のダイバーシティーにも味付けを変えた系列店があり、観光客を意識した店づくりに特化しつつありますね。ラーメンファンとしては普通のお店もつくってほしいですが、ビジネスとしてはそういう路線もありだとは思います。
  世界のビールが楽しめるビアホールなどもあって面白いのですが、基本的には、百貨店のレストラン街とあまり変わらないですね。六厘舎を呼び寄せたのはなかなかのものだとは思いますが。






  フードコートもあるのですが、ここはさすがにその辺のイオンモール並みですね。せっかくだから何か食べて行こうかとも思いましたが、混雑していたので、やめておきました。






  商業施設は大混雑でしたが、スカイツリーと並んで目玉である水族館やプラネタリウムは、それほど混んでいないようでした。
  プラネタリウムは入場料1000円なのでそんなものかなという感じですが、水族館は2000円なので、ちょっと微妙ですよね。




  感想としては、意外と見どころはあるなぁという感じです。施設のコンセプトがやや見えづらいヒカリエとは違い、観光客を楽しませる仕掛けも分かりやすいと思います。
  ただ、見ていて、人がいる割には、あまりお金を落とさないなというのは、はっきり見えました。買うものといえば、フードコートでの食事とか、土産物ぐらいでしょうか。ショップで買い物をする姿は姿はあまり見られませんでした。ショッピングバッグを持った人はそんなにいなかったです。
  しばらくは土、日、祝日、長期休暇には話題性も抜群なので、人が集まるでしょうから、それなりの売り上げは上げるでしょうが、いずれ伸び悩む時期がくるでしょうから、そこが勝負でしょうね。
  あと、気になったのは外国人観光客に対する配慮が欠けていることですね。施設内の案内が分かりにくいし、ショップの構成も、外国人向けとは程遠く、そもそも相手にしていないような感じです。
  購買力のある中国人が来ても、スカイツリーに上る以外にはやることがないでしょうね。せいぜい食事をするくらいか?
  これだけ人が集まっているのに、客が素通りするショップや飲食店もあったので、半年もしないうちに優勝劣敗が明らかになるでしょう。ショップの入れ替えと合わせて、施設全体として目新しいものを打ち出していけるか、コンゴの勝負でしょうね。