政府、東京電力は先週末、東京電力福島第1原発の冷温停止状態を宣言しました。3月11日の事故から約9カ月。一時は原子炉が暴走し、絶望的な状況に陥ったわけですから、そこから考えると、感慨深いものがあります。
しかし、マスコミの報道とか、ツイッターをはじめ、世の中の見方は厳しいですね。燃料が溶けて、原子炉を突き抜けてしまったらしく、原発内部の様子は分からない部分は多いので、気持ちは分からなくはないですが、うざったくてしょうがないです。
いまだに「原発やばい」「やばい」言っている人たちは、何が目的なのでしょうかね。ただ単に政府や東電を叩きたいがためにあら探しをしているだけのことでしょう。要するに。
大手マスコミもひどいですね。「海外メディアからも冷温停止に懐疑的な目」ですって。自分で科学的に筋道を立てて危ないのか、安全なのか検証できないのでしょうかね? 科学専門の記者だっているでしょうに。
しかも、外野でがやがや言い立てている海外メディアって、ドイツとかフランスとかのメディアですよね。彼らに原子力や放射能に関する知識、知見はあるのでしょうか? 日本は少なくとも広島、長崎の原爆投下で、放射能が人体や周辺に与えた影響、東海村のJCO事故でも急性放射線障害などの知見を得ています。
記事の内容だって、一見論理的なように見えて、表面的、感情的なものが多く、とても科学的に精査した上で日本を批判しているかというと決してそうではあるません。
もちろん、事故直後の政府、東電の対応はお粗末極まりないし、東電の賠償に対する基本姿勢や、この期に及んで組織を防衛したり、原発を推進しようとする姿勢は一般常識と乖離しており、さっさと破綻処理して、役員、社員を大量解雇して、きれいな体になって、心も入れ替えて、電力事業に臨むべきだとは思いますが。
海外メディアの記者って、根底には「日本は後進国」という意識があるから、「あいつらやりやがったぜ、徹底的に叩いてやれ」というようなマインドでしかありません。自分たちの経済がうまく行っていないこともあり、やり場のないストレスのはけ口を求めているという面もあるでしょうね。
一時的にはマスターベーションで自己満足できるかもしれませんが、足元に迫っている危機は何ともなりません。放射能の心配をするより、経済の問題にもっと真剣に向き合うべきでしょうね。金融ばくちと不動産ばくちで身を崩した連中が放射能について根拠もなく批判するヒマがあるのでしょうか? まあ、5年後は欧州は中国やロシアの植民地になっているんでしょうけどもね。
再臨界の可能性が0%とは言い切れないとは思います。ただ、事故が起きた原子炉はきちんと冷やされていて、しかも一時期は、あちこちで漏れまくっていた冷却水も循環していて、制御されている状況です。これを「冷温停止」と言わずして、何というのでしょうか?
もう一つ面倒なのは、「放射能怖い」「怖い」の方ですね。化学物質過敏症というの病気があり、放射能についても、ちょっとした変化で健康を害する人たちがいるにはいます。そういう人にとってはとても不幸な事故だったし、何らかの賠償、救済が行われるべきだとは思いますが、レアケースだと考えていいと思います。
宇宙飛行士の古川聡さんが宇宙に5カ月強滞在して浴びた、累積の放射線量が100~150ミリシーベルトだそうです。福島の原発事故処理にあたっている作業員だって、事故直後はそれなりに放射線を浴びたでしょうが、このレベルの放射線量に達するには、かなり特殊な作業を行わないと、ありえないレベルです。
中部大学の武田邦彦教授には幻滅させられますね。事故直後は割と真っ当なことを言っていて、非常に参考になったのですが、徐々におかしくなりはじめました。放射能の危険をやたらと煽ることで、お金がたくさん入ってくるらしいです。昨今のご時世、景気のいい話です。
武田先生の理屈に従うと、宇宙飛行士の古川さんはいずれ、白血病か何かで死ぬことになるのでしょう。古川さんのように宇宙で長期滞在し、事故直後の原発作業員並みの放射線を浴びている人は少なくないと思いますが、もうすでにバタバタと亡くなっているのでしょうかね。各国政府はその事実を隠ぺいしているのでしょうか?
古川さんの例を引くまでもなく、累積の放射線量がミリシーベルト単位であるならば、全く気にする必要はないと思います。
危ないのは、福島原発には局所的に「シーベルト」レベルのホットスポットがあり、簡単には人が近づけないでしょうから、そこをどうやって除染するかというのが、実際はどうなっているのか分かりませんが、面倒な問題でしょう。広島、長崎への原爆投下、JCO事故で明らかになった通り、強い放射線を一瞬にして浴びると、さすがにひとたまりもありません。それでも5シーベルトとかかなりの強さの放射線ですけどね。
それよりも「原発やばい、やばい」、「放射能怖い、怖い」と騒ぎ立てるのは自由ですが、こういう一般人の心理が悪用される危険性もあるということを認識すべきですね。
すでに除染事業は、環境省の利権と化していますね。そこに食い込もうと米国やフランスの企業も虎視眈々と狙っています。
それと合わせて、気を付けなければならないのは、福島原発に近づけないことを利用して、あの一帯が、核廃棄物の最終処分場にされてしまう恐れもあることです。福島だけでなく全国各地や、世界からも廃棄物を受け入れる一大拠点にされてしまえば、本当に「死の街」になってしまいます。
浪江町に「ダッシュ村」があったことからもわかるように、自然豊かでのどかな雰囲気のある、日本の原風景ともいうべき素晴らしい地域です。ホットスポットと言っても、放射線量などたかが知れていますし、疑念が払しょくできないなら、それこそ除染してしまえばそれですむわけです。
さっさと、住民をふるさとに戻して、日常生活にかえることこそ、真の復興につながるでしょう。もちろん、この間に被った不利益に対しては、適切に賠償されるべきです。
とにかく、やたらと恐怖をあおって、そこに付け込もうとする人たちが日本にも世界にもたくさんいるということです。放射能以外にも目に見えない敵が多いということをしっかり認識すべきでしょう。