マーケットに向き合っていると、常に理不尽なことの連続です。先日は、日銀金融政策決定会合を受けて、日米欧の金融政策が出そろったことで、しばらくは、厳しかった相場環境が少し緩むのかなと思いきや、ドル・円なんて半日も持たずに崩落。日経225先物も底堅さを維持しつつもつれ安しています。
個人投資家は常に、その理不尽と対峙し、苦悩せざるを得ないのです。つまらないサイン配信業者とか、最強の投資手法をうたった情報商材屋なんかが相変らず跋扈していますが、華々しい戦績でうらやましい限りです(笑)。
基本的には、今の相場で、欧米の名だたる金融機関から、国内機関投資家、デイトレーダーに至るまで、苦悩を抱えていない人はいないといっていいでしょう。その苦悩を告白できないまま、どんなに偉そうなことを言っても、素晴らしいトレード成績を掲げても、とても信用することはできないし、苦悩がにじみ出ないものについては、100%偽物だと言い切っていいと思います。
苦悩と向き合い、克服しない限り、勝ち残れないし、それこそが投資の世界なのだと思います。世界の金融市場で主導権を持つ、欧米の金融機関だって大変だと思いますよ。バブル崩壊でみんな疑心暗鬼になっているわけだから、そう簡単には騙されません。
彼らだって食べていかなければならないわけだから、結局、政府や中央銀行をけしかけて、低金利政策や金融緩和をしてもらうことで、なんとか食い扶持を維持しているわけです。一見華やかな業界ですが、一枚表皮を剥ぐと、生活保護にむらがる連中と、大差はないわけです。
なぜ今、世界の金融市場は元気がないかというと、本気で勝負させてくれる環境にないからです。ガチンコで、世界中の国債や株式に値付けをしたら、金融市場はたちまち崩壊してしまうでしょう。
現在の世界帝国である米国は、すでに実質的に国家破綻状態ですが、ドルの価値があるかのように見せかけてなんとか覇権を維持しています。ユーロに対しては、財政問題に対して難癖をつけて今のところ、優位を保っていますが、比較的健全な経済を維持している日本円に対しては、一貫して弱含んでいます。
1ドル=70円台がすっかり見慣れた光景になっていますが、為替介入や金融緩和を行っているから、かろうじて水準を維持しているだけのことで、本当のドルの価値はいくらかということで、市場原理にゆだねたら、1ドル=50円、60円あるいは、もっと価値は低いかもしれません。
当面は、各国が“協調”して金融緩和をすることで、市場は安定し、ドルもしばらくはユーロだけでなく円に対しても強含むことでしょう。大統領選前後には新たな動きが出てくるでしょうし、イランに戦争を仕掛けたりなんかして、ドルの価値を人為的に操作することも予想されます。
ただ、いくらこんな茶番劇を繰り返しても、米国の衰退は覆い隠せないでしょう。そもそも、米国の生産性が他国より著しく高いというわけでもなく、そんな国が馬鹿みたいな強大な軍隊を維持して、世界中に展開するのはやはり無理があります。
今の金融市場は米国や欧米の金融機関が世界に対して優位に立つために、見せかけ以上に強く見せるという、いわば「虚飾」によって成り立っているのです。
だから、真っ当な値動きなんてまず期待できません。本当なら、ドルやユーロの価値はもっともっと低いし、国債や株式なんて、紙屑同然のものも少なくないでしょう。ショート三昧でぼろ儲けのはずなのですが、そううまくはいかないということは、皆さん、経験則からご存知でしょう。
ファンダメンタルやテクニカルに基づいて、しっかりした根拠に基づいて、しかも、中長期の視点に立って、投資するのが、王道なんでしょうけれども、人為的に市場を操作するので、なかなか、そうもいきません。
どうしても情報入手で後れを取り、資金も少ないので市場に与える影響もほとんどゼロの個人投資家が生き残っていくには、わずかなヒントを頼りに、手繰り寄せていくしかありません。
ファンダメンタル、テクニカルについて正しい知識を身につけるとともに、正体の見えない相場では、ほんの小さな兆候を見逃さない姿勢も大切なのです。本来は外道なのですが、現在のでたらめな市場の動きに対応するには、小技を駆使するしかありません。「たかが小技」とあなどることはできないのです。
その局面にあった投資手法が求められるわけで、個人投資家は日々、苦悩する中で、しぶとく生き残る策を追求する必要があるのです。
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ポジション公開
昨日日経225先物のポジションを公開しましたが、ドル・円の方も利益が乗りつつあります。来週は波乱含みですが、とりあえず、現時点でのポジションを公開しておきます。まだ、腰が引けていますが、ポイントを抜ければポジション積み増しです。
詳細は以下、ご確認を。