今朝の経済ニュースで目を引いたのは、8月の全国消費者物価指数は前年同月比0.2%上昇で、2か月連続で上昇とのこと。その一方で、韓国の期待インフレ率が4.8%と報じていました。
世界的に物価は上昇傾向で、大きな要因はガソリンなどエネルギー価格が高めに推移していることと、やはり食料価格でしょうね。どこの国も景気に減速感が出ている中、物価が上がるという、スタグフレーションの様相ですが、日本の場合は、諸外国と比べ、物価の安定ぶりが突出していて、いろいろと不平、不満を挙げればきりがないですが、実は経済運営は非常にうまくいっているということです。それが長期にわたる円高にも反映されています。
韓国なんて、サムスン電子や現代自動車は絶好調ですが、国内の賃金が上がらないので、インフレを考慮すると年5%の割合で生活が苦しくなるという、困った状況です。ウォン安の流れも止まらず、ここへ来て90年代後半のアジア通貨危機の時のような経済パニックの再来が懸念されています。国際金融市場からは何かあれば“やばい”国であるとみられているわけです。
こうなると通貨安も考えものですね。というか、国家は基本的には自国通貨の安定に努めるのが本来あるべき姿でしょう。稼いだ外貨を輸出のための資源購入に振り向けなければならず、国民生活はその分、ウォン安で高い資源、食料を購入させられて、割を食うわけです。韓国の外貨不足は恒常的だし、深刻な問題ですね。
日本の場合は、円が大人気で、ドルではなく円で決済してほしいという国も少なくないので、その辺はあまり心配ないですね。
最近の韓流ブームも、この辺の経済事情を反映しているんですよね。どんどんシュリンクする韓国市場ではとても食っていけないし、大して儲からないので、魅力的な市場である日本に出稼ぎにくるのです。要するに“旅芸人”なわけです。
フィリピンやタイなど東南アジアや、ペルー、ブラジルの貧しい農村から、やってくる水商売の女性たちとか、工場労働者なんかと大体同じ構図ですね。ソ連崩壊後はロシア女性をよく夜の街で見かけました。小学生くらいの女の子がショーパブでマジックをしてチップをもらっているのを見たこともあります。
出稼ぎに行くのは、大体、貧しい国の人たちです。だから逆に、日本人がソウルや北京、上海、シンガポールなんかへ水商売とか、単純労働のために働きにいくようになったら、その時は日本がついに落ちぶれたかということになるでしょう。
だから、レディ・ガガが用もなく、頻繁に“親日派”のふりをして、日本にやってきたり、ツアー中で来日直後にシンディ・ローパーが東日本大震災に遭い、福島原発が起きて逃げようとするスタッフを引き留め、コンサートを開いたのも、まったく合理的な行動ですよね。
こうした事情を考えると、“文化大国”だと称して、いろいろ、“ショー・ガール”を日本に寄越してくれる、韓国というのは、いかに香ばしい国かということがわかります。リスペクトというよりは同情の部分の方が大きいですからね。特に30代後半以上の世代は。
よく、若者が内向きとか、引きこもるといわれますが、世界で最も魅力的な通貨である円が流通する国を捨てて、ドルやユーロを稼ぎにいく必要はあるのか? 持っているだけで目減りする韓国ウォンを集めて何になるのか? 若い人の方が経済感覚は鋭いということになります。
ただ、世の中の動きが早くなっているので、将来にわたって、優位な立場を維持するために、円高のアドバンテージを最大限に活用する努力は求められます。軸足は日本に置いておいていいと思いますが、海外の情報収集や人脈形成は怠りなくやっておくこと。これは日本人が苦手な分野なので、意欲ある若い世代を育てる必要がありますね。これに関しては、内向きであってはいけない。
それと、資源や食料など権益をがっちり固めることです。そうすることで、セーフティーネットになるし、資源調達から韓国、台湾勢を締め出すことで、日本のメーカーにとってメリットになります。通貨が安定しているというのは、韓国、台湾にはない日本の最大のアドバンテージなわけです。
あとは、欧米の金目のものは徹底的に買い漁ることですね。今こそチャンスじゃないですか。マイクロソフトやアップル、インテル、ボーイングの株を買い占めればいい。スズキがフォルクスワーゲンを呑み込めばいいじゃないですか。大都市や観光地の有名ホテルなんかも買収しておくのも手ですよね。何だかんだいって不動産は強力な財産です
「円高怖い、怖い病」で、言われるままに為替介入して、米国に貢ぐより、もっともっと円高を進めて、経済的に世界経済に影響力を誇示しやすくした方が日本にとってはるかに利益になるはずです。徹底的に搾取してやればいいのです。