2011年10月4日のマーケット予想

株:NYダウ続落
3日の米株式市場は、米ISM製造業景況指数が51.6と市場予想を上回る良好な内容だったことを受けて上昇する場面もあったものの、ギリシャ政府が2011年の財政赤字について、6月に議会採択した中期財政計画に基づく政府目標のGDP比7.4%を上回る8.5%になる見通しを公表したことを受けて、ギリシャのデフォルト懸念が再燃し、株式市場は売りが優勢となった。さらに、午後に入り、アメリカン航空が連邦破産法を申請する可能性があるとの見方から、親会社のAMRの株価が急落したことをきっかけに一段安となり、ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比258.08ドル安の10,655.30ドルで引けた。
本日の東京市場では、欧米株式市場が下落しており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が8,380円となっており、市場の予想レンジとしては8,300円−8,450円となっている。

為替:ユーロが下落
3日の外国為替市場では、ギリシャのデフォルトをめぐる懸念が高まる中で、ユーロが下落した。さらに、株式市場が急落するなど、リスク回避の動きが強まったことから、豪ドルなどの資源国通貨もドルや円に対して下落する展開となり、期末要因によるポジション調整でドルを買う動きが強まり、ドルがユーロや円に対して上昇する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は76円台半ば、ユーロドルは1.31ドル台後半となっている。
本日は、豪準備銀行理事会(政策金利の公表)が予定されている。さらに、欧州では、EU財務相理事会が開かれる予定となっており、当局者などの発言に注目が集まっている。経済指標の発表では、豪8月貿易収支(予想:+19億豪ドル)、米8月製造業新規受注(予想:前月比±0.0%)が予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては76.20−77.00円となっている。

商品:NY原油続落
3日のNY原油先物取引は、世界的な景気先行き懸念が深まっていることや、為替市場でドル高・ユーロ安が進行したことなどが悪材料となり、大幅続落となった。中心限月の11月限の終値は、前営業日比1.59ドル安の1バレル77.61ドルで引けた。
一方、NY金先物取引では、ギリシャのデフォルトに陥り、欧州の信用不安が拡大するのではないかとの懸念が強まる中で、安全資産としての金が買われる展開となり、大幅続伸となった。中心限月の12月限の終値は、前営業日比35.40ドル高の1オンス1,657.70ドルで引けた。