2011年8月31日のマーケット予想

株:NYダウ続伸
30日の米株式市場は、6月S&Pケース・シラー住宅価格指数が前月比+1.1%となり、市場予想を上回ったことを好感し、上昇して始まったものの、その後に発表された8月米消費者信頼感指数が44.5となり、2年ぶりの低水準に落ち込んだことが嫌気され、株式市場は一時マイナス圏に沈んだ。しかし、午後に公表された9日のFOMC議事録要旨で、一部メンバーが量的緩和策の拡充を主張したことが明らかになると、買い安心感が広がる展開となり、NYダウは3日続伸となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比20.70ドル高の11,559.95ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場は上昇したものの、シカゴ先物市場の日経平均先物が8,905円と前日の日経平均株価の終値を下回っており、主力株にとってマイナス材料となりそうだ。市場の予想レンジとしては8,850円−9,000円となっている。

為替:ユーロが下落
30日の外国為替市場では、イタリアの国債入札が低調な結果となったことや、8月ユーロ圏景況感指数が98.3と前月から大きく低下したことなどが嫌気され、ユーロが下落する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は76円台後半、ユーロドルは1.44ドル台前半となっている。
本日は、ユーロ圏8月消費者物価指数(予想:前年比+2.5%)、8月全米雇用報告(予想:+10.0万人)、8月シカゴ購買部協会景気指数(予想:53.5)などの経済指標の発表が予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては76.30−77.30円となっている。
 
商品:NY金急反発
30日のNY原油先物取引は、米エネルギー省が、ハリケーン「アイリーン」の影響に関する報告で、東部沿岸の製油所が減産状態に陥っていることが明らかになったことや、株式市場が堅調だったことなどが強材料となり、4日続伸となった。中心限月の10月限の終値は、前営業日比1.63ドル高の1バレル88.90ドルで引けた。
NY金先物取引では、米シカゴ連銀のエバンズ総裁が、米報道番組で、景気下支えのために一段の政策が必要だと主張し、追加金融緩和観測が高まったことに加えて、欧米の経済指標が悪い結果となったことから、安全資産としての金買いが強まり、急反発した。中心限月の12月限の終値は、前営業日比38.20ドル高の1オンス1,829.80ドルで引けた。