ラーメン道 桜の季節、つけ麺だ! 上野編③





  先日の東池袋「大勝軒」に続く、つけ麺店の紹介です。つけ麺を積極的に攻略しようという意図はさらさらなく、胃腸の調子がややすぐれず、嗜好がラーメンよりもつけ麺に傾いているというのが大きな理由です。桜見物に上野を訪れるついでに、前から行きたかったつけ麺店にトライしてみようという思惑もありました。
  昔から、なぜか上野で桜を見る機会が多く、私の中では「桜イコール上野公園」という図式が無意識に定着しています。さすがに都内有数の名所だけあり、平日にもかかわらず、大勢の花見客でにぎわっていました。




  気になっていたつけ麺店とは、「麺屋武蔵 相傳」です。麺屋武蔵の系列店は、今回訪れた相傳から、300~400メートル離れた場所にある、「麺屋武蔵 武骨」を2月21日に取り上げています。
  麺屋武蔵は新宿西口が総本店で、都内各地に系列店があり、新興ラーメン店では最も勢いのある店の一つですが、上野になぜ2店舗構えたのか不明です。
  割と年齢層が高い人が集まる上野よりも、新宿、渋谷あたりにもっとオープンさせてもいいような気もしますが、何か上野に懸ける思いがあるのでしょう。飲食店に限らず、魅力的なお店がある街は、人をひきつけますよね。町づくりをする上で、重要なポイントになると思います。
  午後2時すぎに私が店に入った時には、空席がいくつかあったのですが、アメ横自体が混雑していて、お昼時ではないにもかかわらず、すぐに満席になりました。
  武蔵のラーメンは、非常に完成度が高く、魚介の風味を大切にしていて、私にとっては、とても好きな味なので、期待が高まります。武骨もそうですが、ここ相傳でも、味の違いによって「赤」「白」「黒」の3種類の全く異なる風味のスープを選べます。
  一番人気は「黒」で、迷うことなく、つけ麺・黒(750円)を注文しました。武骨の「黒」はイカスミが中心ですが、相傳の「黒」はコーヒーで、どんな味になるか、わくわくさせられます。
  麺の量を無料で普通、中盛り、大盛りから選べるのもとってもうれしいサービスです。この日は中盛りにしました。


  で、出てきたつけ麺は上の画像の通りです。ちょっと暗いのですが、麺の上を覆っているチャーシューの、やや無造作な感じが余計においしそうな感じがしました。ちょっと顔をのぞかせるもちもちの麺、その傍らにいる味玉も情感があります。
  私は、つけ麺は東池袋・大勝軒系と、友人に連れて行かれた広島風つけ麺くらいしか食べたことがなく、東京ラーメンほど語る知識は持ち合わせていないのですが、食べた感想は、「つけ麺ってこんなにバリエーションが豊富なんだ」ということです。
  あらかじめスープとコンビネーションで出されるラーメンと違い、つけ麺は、麺とスープが接する時間が短いので、つけ汁にどうインパクトを与えられるかがポイントですね。
  このお店のつけ麺は、麺と相性が良く、よく練られていると思いました。武蔵というと、私がラーメンを食べた時のイメージでは、「魚介系」なんですが、このつけ汁は豚骨ベースということで、やはり、つけ麺であることを意識したつくりになっています。
  つけ麺というと、やはり魚介のイメージが強い大勝軒の流れが気になってしまうのですが、スープの骨格が違うので、つけ麺をあまり食べない者にとっては「こういう味もあるんだな」ということを気づかされます。
  トッピングの味玉は、他の系列店と同じ食感で、私の好みは何度か書いた通りですので、おいておくとして、チャーシューは食べごたえがあり、豚骨スープに豚肉という、お好み焼き定食、うどん定食、焼きそば定食みたいな「炭水化物に炭水化物」的なところはあるのですが、スープになじんでいたと思います。




  武蔵系のラーメンが好きな人は、決して裏切られない味です。上野にはちょこちょこ出没するので、通ってみたいと思います。「赤」や「白」も試してみたいですね。
  胃腸の調子が悪く、つけ麺を食べにというよりは、花見ついでに立ち寄ったお店でしたが、つけ麺について興味が高まりましたし、おいしかったので、非常に気持ちよい一日になりました。


  暖かくなったので、どんどん外出して、いろんなことに挑戦してみるといいですね。