春の憂鬱



  所詮は、隣りの国の話なので別にどうなろうと知ったこっちゃないのですが、韓国・総選挙は、与党セヌリ党が勝利。事前の世論調査では苦戦が伝えられ、改選前の議席は減らすものの、何とか単独過半数を獲得できた模様です。
  韓国では、米韓FTAに対する不満、反発が強まっており、輸出企業が好調な一方で、所得格差、地方経済の疲弊などさまざまな問題もあいまって、民衆の怒りが爆発するのかと思っていましたが、結局は、現状維持、あるいは米国による支配強化の道を選ぶ結果となってしまいました。


  選挙結果はさすがにきわどい結果です。最後は、金をばらまいたとか、米国では日常茶飯事ですが、投票所で票が改ざんされたとかで、なんとか粉飾したということでしょう。
  北朝鮮のミサイル発射のタイミングも絶妙ですね。さすがにこの状況で、あえて野党に票を投じ、政局を不安定化させることには韓国の有権者も躊躇があるでしょうしね。
  何より、与野党逆転を望まないのは、米国にほかなりません。多額の借金を抱え、首が回らなくなり、日本や韓国から搾り取れるだけ、搾り取ろうという姿勢が以前にも増して露骨になってきました。
  醜態が目に余るほど苦境に追い詰められているという国です。落ちぶれた、汚い国になってしまいました。心底軽蔑します。


  今回の韓国の選挙結果から、何より憂慮すべきは、民衆の力がかなり弱まっているのではないかということです。日本同様、既存政党が信用できず、民意の受け皿がなくなってしまっているというのも大きいでしょう。
  日本でも韓国でも、政治に求めるのは、とにかく国内経済を安定させることです。そのためには、米国に支配される体制を断ち切らなければなりません。
  ところが、争点がいつの間にかすり替えられ、または北朝鮮を使って目くらましされ、本当の敵(米国)を見失ってしまい、エネルギーがそがれてしまっています。


  私たちとしては、1990年代のアジア通貨危機以降、米国の完全な経済植民地にされ、日本型の家族経営を捨てて、ビジネスマシーンと化してしまった韓国を他山の石としなければならないわけですが、このままいくと、韓国同様、あるいはもっとひどい形で支配される可能性が高いですね。
  日本はこのまま、米国の言いなりで、消費税増税、TPP参加、普天間移設へと突き進んでしまうのか? このところの首相の国会答弁を見る限り、世間では追い詰められているように見られていますが、米国の虎の威を借りて意気軒昂のように見えます。
  米国のよれよれの経済実態、金を搾り取ることで活路を見出そうと東アジア支配を強めようとしていることに対して、韓国と密に連携しなかったこと、これは日韓両国の“敗因”でしょうね。
  日本は買わされた米国債がすべてすべてパーになり、借金を踏み倒されるでしょうし、韓国は後ろ盾だったはずの米国が国家破綻し、はしごを外されることで、中国、ロシアの軍門に下り、朝鮮統一があるとすれば北朝鮮主導になることでしょう。
  きびしい現実に直面しなければならないのです。