放射能対策、「地下水」を忘れてないか(復興への道)
原発事故を契機に放射性物質の拡散問題から目が離せなくなった。大気や海水、水道に加え、地下水も汚染の有無が気がかりだ。専門家による最新の分析によると、福島では制限区域の外でも一部注意を要する場所があるという。
東日本大震災の被災地では、ライフラインの1つである水道が今でも使用できないところが多い。地震の大きな揺れで水道管自体が破断して配水が止まっただけではない。蛇口から水が出ても、福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故の影響で、放射性物質の濃度が通常より高い例もある。
被災者が日常的に使える水が少なくなれば、衛生面が脅かされる。工業用水が枯渇するようだと、復興に向けた企業活動の遅れにもつながりかねない。