私は基本的には、憲法9条を擁護するべきだと思います。右寄りの人たちには受け入れがたいかもしれませんが、日本が平和国家であるというイメージは予想以上に世界に浸透しています。そして、それが日本に対する好印象につながっている。ただ、原下の国際情勢を考えると、やはり“最低限”の軍隊は必要だと考えます。
何に対して軍隊が必要かというと、中国やロシア、北朝鮮、韓国ではなく、米国に対してです。借金を踏み倒そうとする輩に対して、どうやって取り立てるか? 暴力をちらつかせるしかありません。国益、権益、財産を守るには、軍隊が必要なのです。
残念ながら、人間は立派な生き物ではありません。法的には債権者の権利は(もちろん債務者の権利も)守られていても、実際に債務を履行させられるかというと、そんなことはない。返す金がないふりをして、ちゃっかり財産を隠匿し、トンづらすることだってありうる。
こうした“ならず者”に対しては、やはりしかるべき方法で対処しなければならないわけで、中国やロシアなどは、米国に対して「借金はちゃんと返せ、さもなくばニューヨークに核ミサイルを打ち込むぞ」くらいの脅しはやっているわけです。
困ったことに、日本そして、米国の傀儡政権から始まった韓国などは、債権者に対して、債務者が軍隊を駐留させるという、奇妙な状況に置かれています。これは世界帝国と周辺国の関係でもあり、仕方がないのですが、「同盟国」だろうが「トモダチ」だろうが、他人は他人。すべて仮想敵だという意識を持つのが国家のあるべき姿ですが、吉田茂が「安保タダ乗り」などというケチなことを考えたばっかりに、米国に対しては絶対に頭が上がらないという、なさけない状況になってしまったのです。
昨日の財務省の為替介入は、過去最大規模の4兆円ということですが、完全に盗人に追い銭ですよね。ろくに働きもせず、ばくちで身を崩して、借金を踏み倒そうとしている連中に金を投げてどうする? 米国に脅されてこういうことをしてしまうわけです。介入をやってしまった、菅、枝野、野田、与謝野、白川といった人たちは、売国奴です。決して忘れてはならない。
輸出企業を守るという大義名分ですが、4兆円に見合う効果はあるのでしょうか? 円高だろうがそうでなかろうが、輸出企業全体で4兆円の利益を上げるというのは、至難です。そんな金があれば、復興に回せばいいし、こども手当だって見直さなくてもよくなる。
そもそも、東日本大震災は、米国との関係を見直す好機だったはずです。国家の存立すら危ぶまれるダメージを受けたわけですから、「米国債を全部売り払って、国を再建します」と宣言すればよかった。しかし、震災直後につかつかとやってきた、ヒラリー・クリントンという凶暴バカ女に脅され、原発事故もあったものだから、すっかり縮み上がってしまい、封じ込められてしまった。
債務者の方が力が強い場合、そして、極端に力に格差がある場合、借金を踏み倒す奴が強いという倒錯した関係になってしまうという、まさに好例ですね。
軍隊を持たないことによる利益をこれまで最大限に享受したわけですが、これからはそういうわけにはいきません。いかに強い米国といえども、一国が世界中に軍隊を展開し、にらみを利かせるという時代はもはや終わったのです。とても財政的に持ちません。
自分の身は自分で守る。そういう姿勢を貫いていれば、米国に対して、しかるべき権利を行使できたわけですが、それはかなわない。まあ、これはいまさら言ってみても仕方ないので、これから先どうするかですよね。
米国が国家破産をしたら、米国内は混乱が起き、内乱状態に陥るでしょうし、世界的にもパワーバランスが崩れ、あちこちで小競り合いや紛争がおきるでしょう。
日本の場合、原油や天然ガスを確保するルート、シーレーン防衛に空白が生じれば、経済的に大きな混乱をきたす可能性もある。これは真剣に考えなければならない問題です。
中国の軍事力増強に対して、警戒感が強まっていますが、馬鹿みたいに軍隊を肥大化させた米国と比べると、まだまだかわいいものです。というか、今から空母を建造しても、アジア・太平洋地域の安定を維持するには不十分だし、間に合わないでしょう。それに、いくら経済が右肩上がりとはいえ、一国が軍事に回せる金など知れている。
こういう理由もあって、日本は自前で、必要な軍事力を整備する必要があります。米国が破産して在日米軍が縮小、撤退ということになると、どれくらいのものが必要なのか、早急にシミュレーションしなければなりません。
また、米国が国家破産した場合、中国、ロシアはどう出るか。債権確保のため軍隊を使って、米国の対外資産を差し押さえたり、場合によっては、米国に乗り込んでいくかもしれない。
新しい世界秩序をつくるため、世界の安定を維持するため、かつてのベルリンがそうだったように、ニューヨークに人民解放軍やロシア軍が駐屯することだって、あるかもしれない。その時は、日本も行動する必要があるし、応分の負担を求められるでしょう。
日本が軍事力を増強するならば、その原因は米国にあると考えるべきではないでしょうか。