今晩は、Kスタ宮城で、東北楽天ゴールデンイーグルスと北海道日本ハムファイターズの対戦が行われます。予告先発はなんと、楽天・田中将大、日本ハム・斎藤祐樹。甲子園の運命のライバル同士の対決が再現されることになります。
今となってみると、マー君の方がハンカチ王子より一段も二段も上をいっているので、ダルビッシュの方が対戦相手としては、興味深いですが、楽天ファンとしては見逃せない一戦で、今晩、東京を離れられず、Kスタに行けないのがとても残念です。
2006年夏の甲子園の時点では、きめ細かい投球ができる早稲田実業・斎藤の方が上手で、やや力任せに投げている感があった駒大苫小牧・田中が結局、死闘の末に敗れてしまいました。私自身、早実に縁があった関係で、斎藤にシンパシーを感じましたね。
5年たった今、状況は変わりましたね。田中は投手としても人間としても、一回りも二回りも成長した。高校卒業後、すぐに野村監督の下で育てられたことは、大きかったのではないかと思います。本当の意味で「持っている」人なんだろうと思います。
斎藤は「持っている」と言われますが、彼の投球の持ち味と同様、立ち回りやかわし方がうまくて、ここまでやってきた印象があります。
田中が入団した当時の楽天は、球団創立から日が浅く、チームとしての体をなしておらず、名実ともにパリーグのお荷物球団でした。とても有望な若者が入りたいと思うようなチームではなかった。しかし、彼はその球団に自分の将来を託したのです。私はその事実だけでも田中をリスペクトします。
“くせ者”監督と過ごした数年間も決して無駄ではなかったことでしょう。チームのエースとしてのあるべき姿を徹底的に叩き込まれたことで、徐々に風格が出るようになりました。
「いてまえ」体質の近鉄出身の岩隈久志がところどころで弱音を隠し切れず、「真のエース」になりきれないのとは対照的です。若いころに育った環境というのは大切ですね。
マウンド上で雄たけびを上げるのは、メジャーリーグではマナーに欠けるととらえられることもあるそうですが、そんなことは気にせず、ぜひどんどん気合を吐き出し、チームを引っ張ってほしいですね。
投手としては、スピードはなくても、コントロールが丁寧な技巧派の斎藤の方が寿命が長いんだと思います。斎藤は高卒でプロに入るべきだったと思いますが、今から過去のことを言ってもしかたがないので、彼には一日も早く、プロの世界で独り立ちし、力強さが持ち味の田中とは180度違うスタイルで、日本球界をリードしてほしいと思います。
ペナントレース終盤で、一つでも上の順位を目指す両チームにとって、今晩は重要な一戦ですが、田中がプロのキャリアを発揮し、斎藤を圧倒してほしいですね。今年は楽天にとって特別な年で、田中の背負っているものはあまりに重く、大きい。プレッシャーに負けず、彼らしい、伸び伸びとした投球を期待しています。