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どいつもこいつも

  今朝の各紙朝刊は、名古屋大など日本の研究者も参加する国際研究グループが、ニュートリノが光より早い速度で移動することを実験で突き止めたと、というニュースを大々的に取り扱っています。このニュースの意義付けはアインシュタインの特殊相対性理論を根底から覆す可能性があり、理論物理学は根本から立て直しを迫られることになるということにあります。
  さも衝撃的な発見であるかのように報じられていますが、欧米の研究者はもう十年以上も前から、アインシュタインの理論に対して疑問を投げかけています。ただ、“アインシュタイン信者”の学者が猛威を振るっているので、これまであまり声高に主張しなかっただけのことで、信者の勢力は徐々に衰退しつつあり、相対性理論に否定される流れにあります。日本の学者でもすでに気づいている人は気づいているでしょう。
  ただ、「原子力村」の学者さんたちに見られるように、日本の学界(まあ、欧米も似たような面があるが)は閉鎖的で、主流派とされる学説が間違っていても、面と向かって批判、反論できる土壌がなく、科学ではなく、宗教的な世界なので、相対性理論に対して疑義がはさめなかったのです。
  新聞記事でも指摘されていますが、実験結果についてはさらに詳細な検証が必要になるでしょう。記事を読む限りは、かなり厳密な実験が行われているようなので、アインシュタイン理論がそもそも不完全なものだったということの補強証拠になる可能性が高く、日本の物理学会もようやく国際レベルの水準に少しは近づくことになるでしょう。
  日本は、工業技術やモノづくりにつながる「実学」の分野は非常に強いのですが、理論物理学のような抽象的な分野は非常に弱いですね。ただ、国民の生活を豊かにするのは実学であり、理論ではない。理論上は正しいかもしれないが、実際に使ってみると、実用に耐えない商品は意味がないのです。モノづくりの現場にいる人たちは意識せずとも、体で理解しています。
  それはそれでいいことだと思います。ただ、ある程度理論を知っておかないと、世界から取り残されるし、科学の体系について理解している人たちにだまされ、優位に立たれる可能性があります。原発事故の際に情報収集に手間取り、結局、米国の支配下に屈してしまったのが好例でしょう。大局的にものごとを把握する力も必要なのです。
  日本の文科系の学問レベルはどうしようもないですが、理科系お前もかという感じですね。政治、経済についてしっかりと学問を積み重ねてこなかったことから、米国に対して卑屈なまでに従属する立場に陥れる原因になっています。経済学の本質を把握し、それなりの人材を育成していれば、沖縄の基地問題なんかもう少し自分の頭で考えて解決策を考えるだろうし、米国の言うままに米国債を購入して国民経済を困窮を強いるなんてこともない、欧米の国家破綻の道連れにされることもないでしょう。
  このような文科系の体たらくですが、理科系も、本質的には大して変わらないということです。日本人の置かれている立場や学者の気質からして、大方そうだろうと予想はしていましたが、悲しいことです。
  今朝の新聞を見ていて、一番、馬鹿だと思ったのは、過去にさかのぼる「タイムマシン」の可能性について、各紙言及していることです。しかも、それは新聞記者の考えではなく、それなりの肩書を持っている学者がですよ? 頭大丈夫ですかね。
  そもそも、時間についての考え方もアインシュタイン理論に依存しているわけですよね。そのアインシュタイン理論が根底から覆るというんだから、時間に対する概念も間違っていたということになりませんか? そこだけアインシュタイン理論が通用するのでしょうか? 自己撞着でしょう。完全に。
  「双子のパラドックス」なんてのもそうですよね。双子の片方が光速で進むUFOでさらわれて一年後、地球に戻ってきたらさらわれた方は、時間の進み方が違いで、地球に残った方は老人になっていたという。でも、これは、「相対性」に反する考えです。さらわれた方からみると、地球の方が光の速度で遠ざかっているわけで、地球に残った方が実は光速で移動しているとも考えられる。そうすると、この理論はおかしいということになる。
  アインシュタインの理論は所詮、机上の理論で、数字をいじくり繰り回して、一つの考え方を示したにすぎず、だれもこの広大な宇宙で、それが正しいと確認した人はいないのです。数字遊びのレベルにすぎない。人間の考えることなんて、どんなに立派に見えてもまだまだそんなレベルなんです。それをあたかも、数学を使って宇宙のすべてを解き明かしたなんて勘違いもはなはだしい。
  現代の経済学もそうですよね。紙のお金をどんなに刷っても、利子率を操作しても、だれも豊かさを実感できない。それは、机の上でこねくり回しただけなのに、あたかも世界をよくするものだと、勝手に思い込んでいるにすぎないからです。
  人間の能力なんて、この広い宇宙からすると、ちり、ほこりよりも取るに足らない存在です。自分は馬鹿であると謙虚に認めることこそ、宇宙を理解する第一歩かもしれませんね。

何がしたいのか?

  気になった記事を一つ。ゆかしメディアより、「パナ本社の『田舎者』に世界でビジネスは無理」(http://media.yucasee.jp/posts/index/8959/1)は、シンプルな記事ですが、とても考えされられるし、危機感を感じざるを得ません。
  いつだったか忘れましたが、何度か折に触れて、このブログでも、パナソニックの三洋電機買収がいかに稚拙かということを指摘してきましたが、同じような見方を、パナソニック内部の人も持っているのだということを確認できました。
  企業のM&Aなんて、所詮は金融機関が編み出した錬金術にすぎないので、合併とか経営統合とか吸収合併をやって本当にうまくいっているケースなんて世界的にも珍しいと思います。日本経済新聞が好んで取り上げる、日本電産あたりはモーターという分野に特化してやっているので、そこそこうまくいっているようですが、感情的な問題を含めて完全に一体、同化するのは難しいでしょうね。
  みずほ銀行なんて、第一勧業、富士、日本興業の3銀行が集まってできたわけですが、それぞれ企業文化が違うし、プライドも高いし、そもそも、第一勧業銀行なんて、民間銀行の第一銀行と、国策銀行の勧業銀行がくっついた銀行で、勧業銀行出身者が第一銀行出身者を見下すという体質を持った銀行でした。それらが一体になるわけですから、働いている人たちは混乱するでしょうね。
  現にシステム統合で大きなトラブルが起き、信用が第一の銀行業としては、考えられないような失態を犯したわけです。あれだけ大きくなってしまうと、組織に対する愛着も薄れるでしょうから、自分の利益とか出世しか考えないような人も増殖することでしょう。合併により、ビジネスが活性化するどころか、官僚化、没個性化が進むだけの話です。
  財閥系の三菱や三井住友なんかは、歴史があるので多少はましなんでしょうけれども、欧米の金融資本に頭を押さえつけられて、住宅ローンを売りつけるか、国債を買ってせこい利ザヤを稼ぐ以外に画期的なビジネスモデルは見つからず、そんなビジネスをやっていて「何が楽しいんだろ?」と思ってしまいます。大手金融機関に翻弄されながら、コツコツ投資して稼ぐ、デイトレードの方が絶対面白いって(笑)!! 金融マンさんよ。
  パナソニックによる三洋電機の買収も、ゴールドマン・サックスが画策し、手下の三井住友銀行が動いて実現した訳ですけれども、ハゲタカの論理でなされたものなので、結局、誰も幸せになれないですね。
  パナソニックの駄目なところは自ら成長分野を開拓できない。これはモノマネの企業文化をつくった、創業者・松下幸之助氏の負の遺産です。三洋は、苦しい経営状況の中、エネループのような民生向けの二次電池や車向けのリチウム・イオン電池などの成長事業を種をまいて、せっせと育ててきたわけです。
  三洋には、変換効率の高い非常に優れた太陽電池事業もあり、パナソニックは「そんなものはゼニにならん」と、さっさと捨ててしまった分野なのですが、近年、世界的にエコロジーへの関心が高まり、にわかに活気ある分野となり、「こりゃいかん」と思ったのですが、気づいた時にはすでに遅し。遅れを取り戻すためのウルトラCとして、三洋を買収するという行動に走ったわけです。まあ、これもゴールドマンから「今買っとかないとやばいよ」とかそそのかされたんでしょうけれども。
  ただ、三洋を買収したのはいいが、ちっとも効果が表れない。そこで、あせった経営陣が、家電部門を中国のハイアールに売却したり、三洋ブランドを次々に廃止して、パナソニックに同化させようとしているのが現状です。
  これがパナソニック経営陣の馬鹿なところなんですよね。パナソニックなんて図体はでかいけど、所詮はローカル(田舎)・ブランドにすぎず、世界的なプレーヤーではないのです。韓国・サムスン電子やLG電子の台頭でそれがはっきりしたわけです。
  ゆかしメディアにもありますが、海外では、局所的には三洋の方が認知され、シェアが高い地域もあるのです。ベトナムの家電事業がそうですし、ウォルマートと提携することで販売網を確保した、米国のテレビ事業なんかそうですよね。国内では早々にテレビ事業はやめてしまいましたが、米国では“サンヨー”ブランドの方が認知されているのです。いくらビエラだなんだと偉そうにしていても売れなきゃ意味がないのです。
  同メディアによると、ベトナムの洗濯機、冷蔵庫事業は三洋のシェアが30%でトップ、パナソニックは十数%にとどまっているのですが、そのドル箱事業を中国に売り渡してしまった。しかも中国とベトナムは関係が悪く、中国企業はシェアを広げないでいたわけで、アホとしかいいようがないですね。
  パナソニックの経営方針は完全に金融資本主義に毒されていますよね。加えて悪しき官僚主義という。任天堂あたりもそうなのですが、それについてはまたいずれ分析します。世界的には大して認知もされていないのにパナソニックのブランドに固執し、中身のない、意味のないことを繰り返しているわけです。これじゃ勝てませんわ。
  携帯電話事業で海外展開を積極的に進めると言いながら、スマートフォンでサムスンが世界を席巻。テレビはもうあきらめた方がいいでしょうね。せめてプラズマなんてさっさと捨てて液晶一本に絞った方がいい。すでにサムスンは有機ELテレビを視野に事業展開しています。
  地道に新しい分野を開拓するとか、そういうのは不得意なので二番煎じになるとしても、何か一つアイデアを加えて魅力的な商品に仕立てるとか、それぞれのマーケットに合った商品づくりに徹してブランド認知度を高めるとか、やるべきことはあるはずですが、ことごとく韓国に先を越されてしまうんですよね。
  昔はソニー、今は韓国メーカーのマネをすればいいわけですが、それすらできなくなってしまっている。サムスンのスマホを上回る端末をつくればいいのですが、それができない。世界的な販売網もない。
  自分たちが何をやりたいのか、何を目指すのか、見失ってしまっています。これはパナソニックだけでなく、東芝、日立製作所、シャープ、NEC、富士通などにも共通することで、同じ病理は、これまで強かった自動車メーカーにも広がりつつあります。
  金融資本主義は近々、破たんする運命にあるので、もう一度、原点を見つめなおすことでしょうね。経営は悪いが、商品開発力など魅力ある三洋電機をどう生かすか、今ならまだ引き返せると思うのですが、欧米を見てもわかるとおり、ダメ人間はどんなに頑張ってもダメ人間なんでね。死んだ気になってやり直すしかないでしょう。

嵌め込み相場

  相変らずワンパターンですね。アジア時間に下げ渋って、欧米時間に一気に下げると。先週末、8800近辺で高止まりさせて、逃げられなくしておいて、崩してきました。
  ダウは一時、500ドル超安ですが、注意しなければならないのは、ここで反転させる可能性もあることです。引けにかけて小戻ししていますからね。
  米国はドルは防衛するつもりなのか? 下値を攻めきれず、こうなると、それなりに戻さないとつじつまが合わなくなる。どうあがいてもゲーム・オーバーなのですが。

わけあり相場

  日々のマーケットの動きをウォッチしていれば分かることで、あらためて指摘することもないと思いますが、相場は基本的には上昇局面と下落局面の2つの波で構成されます。
  日経平均にせよ、ドル・円にせよ、一応、おおむね数日周期で上昇したり、下落したりしていますが、1週間、1カ月、3カ月、半年、1年とといった、より長い時間軸でみると、方向性が見通せず、基本的には、狭いレンジでの動きに終始してしまっています。
  ひと昔前は、日経先物も1カ月の間に2000円下げて1000円戻すといったダイナミックな動きがみられたのですが、リーマン・ショック以降、特にこの1、2年は、上下の変動幅、すなわちボラティリティが小さくなり、意味不明な動きをすることが多くなりました。
  ある程度、上昇のめど、下落のめどが立っていれば、それに向けて市場参加者のエネルギーが集約され、わかりやすい動きになるのですが、最近では、ほんの少し上下するだけでも各参加者の思惑がからみ、動きが取れなくなってしまい、「毎日がメジャーSQ前」みたいな状況になってしまっています。
  相場が動きづらいというのは、大体わけありのことが多いですが、実際、裏があるからこそこういう動きしかできないのでしょう。
  ドル、ユーロがからむ為替にせよ、株にせよ、国債にせよ、方向性としては「下落」しかあり得ないわけで、一度、明確な方向づけをしてしまうと、ブレーキがかからなくなってしまう恐れがあります。投げ売りが投げ売りを呼んでおそらく、欧米の大手金融機関はほぼ軒並み、市場からの退場を余儀なくされるでしょう。
  金融機関どころか、米国やイタリア、スペイン、ギリシャなど、財政規律や経済の秩序を維持できなくなった国家は、世界から見放される運命にあります。
  最悪の事態を回避しようと、何やかやと画策しているようですが、錬金術はないわけで、破綻させるべきものはいったん破綻させないと、本当の意味で次の一歩を踏み出せないわけです。まあ、欧米の人たちは、本来ならば、20年でも、30年でもタダ働きをして、償うべきなんでしょうけれど、現実的にはそんなことができるわけもなく、健全な経済運営をしている国の人たちもとばっちりを食うわけです。
  リーマン・ショック後、2009年春あたりから、各国の景気刺激策や金融機関などに対する救済策がそれなりに効果を挙げ、ひとまずマーケットは落ち着きを取り戻したわけですが、問題を一時的に棚上げにしたにすぎず、メッキがはがれると、再び緊迫した状況に陥るのです。
  そこで、米国は2010年に金融緩和の第2弾をやるわけですが、これははっきり言ってやり過ぎだった。諸悪の根源である、米国の株式が意味もなく上昇し、しかも、指数だけでみると、リーマン・ショックの水準以上に戻してしまった。
  でも、そんなインチキをしても、簡単に見抜かれるわけで、米ドルは下落がとまらず、反転の見込みもまったくない。ギリシャ同様、実質デフォルト状態と判定されている状態です。ドルの価値の剥落に対して、エネルギーや金などの価格が上昇しており、米国の経済力が相当な勢いで落ちていることになります。
  それでも、米国はこの期に及んで、株価を維持することで、かろうじて、見せかけだけでも、破たんを回避し、小康状態を保っているように見せかけているわけですが、いつまで続くかが問題ですよね。
  本当に復活できるのであれば、さっさとセリング・クライマックスをやって、ダブル・ボトムでも何でも形成して、さっさと上昇基調に戻せばいいのですが、先述の通り、一度、下落すると斜面を転がり落ちてしまい、再び這い上がることはできないので、無理に下げ渋っているわけです。
  こんなわけありの状態が続けば続くほど、市場や経済にゆがみが大きくなり、矛盾が噴出したときの、影響が大きくなると思うのですが、もはやなりふりかまっていられないんでしょうね。一時は、手の付けられない栄華を誇った人たちが、どのように転落するか、私たちは興味深く傍観することにしましょう。