2011年11月10日のマーケット予想

株:NYダウ急反落
9日の米株式市場は、欧州の清算・決済機関LCHクリアネットが、イタリア国債取引の証拠金を引き上げたことなどをきっかけに、同国の10年物国債の利回りが危険水域といわれる7%台に上昇したことを受けて、欧州圏の債務危機が悪化しているとの懸念が強まり、株式市場は全面安の展開となった。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比389.24ドル安の11,780.94ドルで引けた。
本日の東京市場では、欧米株式市場が大幅安となっており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が8,595円となっており、市場の予想レンジとしては8,500円−8,700円となっている。
 
為替:ユーロが下落
9日の外国為替市場では、イタリアの国債利回りが大幅上昇し、同国の信用不安が高まる中で、いずれはイタリアへの金融支援が必要になるのではないかとの見方が強まる中で、ユーロが下落する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は77円台後半、ユーロドルは1.35ドル台半ばとなっている。
本日は、英中銀金融政策決定会合やECB月報の公表などに注目が集まっている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては77.50−78.30円となっている。
 
商品:NY原油反落
9日のNY原油先物取引は、EIAの週間在庫統計で、原油在庫が前週比140万バレル減と市場予想を上回る取り崩しとなったことを好感し、一時97.84ドルまで上昇したものの、イタリア国債の利回りが急上昇したことを受けて、欧州圏の債務危機に対する懸念が強まり、値を崩す展開となった。中心限月の12月限の終値は、前営業日比1.06ドル安の1バレル95.74ドルで引けた。
NY金先物取引では、イタリアの債務危機への高まりから、安全資産としての金に買いが入り、上昇する場面もあったものの、為替市場でのドル高・ユーロ安が重しとなり、反落して引けた。中心限月の12月限の終値は、前営業日比7.60ドル安の1オンス1,791.60ドルで引けた。