株:NYダウ反発
29日の米株式市場は、同日発表された米1月S&Pケース・シラー住宅価格指数が前月比-0.2%、米3月消費者信頼感指数が63.4と前月の水準より悪化したことが嫌気され、下落して始まった。しかし、これから本格化する企業決算への期待感を背景に、じりじりと値を上げ、反発して引けた。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比81.13ドル高の12,279.01ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が上昇していること、為替市場でも円安・ドル高基調となっており、輸出関連株などにとってプラス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物は9,500円となっており、市場の予想レンジとしては9,400円−9,600円となっている。
為替:円が売られる
29日の外国為替市場では、米セントルイス連銀のブラード総裁がFRBの国債買い取りプログラムの規模を縮小する可能性を示したことから、米国の金融引き締め観測が浮上し、米2年債利回りが0.8%台に上昇したことに加えて、ユーロでも、前日のトリシェ総裁の発言を受けた利上げ観測が浮上したことなどから、ドルやユーロが買われ、円が幅広い通貨に対して下落する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は82円台半ば、ユーロドルは1.41ドル近辺となっている。
本日は、3月ADP全米雇用報告(予想:+20.0万人)などの経済指標の発表に加えて、米7年債の入札などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては81.80−83.00円となっている。
商品:NY原油反発
29日のNY原油先物取引は、リビア情勢について、多国籍軍の援護を受けた反政府勢力が優勢となり、リビアの石油供給の再開に対する期待が高まり、下落して始まった。しかし、リビアの全油田は国際的な経済制裁の対象となっており、市場に流通するまでには時間がかかるとの見方が浮上し、じりじりと値を戻す展開となり、中心限月の5月限の終値は、前日比0.81ドル高の1バレル104.79ドルで引けた。
NY金先物取引では、米金融当局幹部が超緩和政策からの出口戦略を示唆する発言をするなど、米国の金融引き締め観測が強まったことに加えて、米経済指標が堅調な内容だったことから、安全資産としての金は軟調に推移し、4日続落となった。中心限月の4月限の終値は、前営業日比3.70ドル安の1オンス1,416.20ドルで引けた。